じわじわと暑くなり、夏の訪れを感じる季節がやってきました。
夏野菜が美味しくなると、ナスやトマト、キュウリなどがスーパーを彩ります。
ナスは、水分が90%も含まれることから栄養がほとんどないと思われがちですが、夏バテに役立つ栄養を含んでいます。
そこで今回は、夏バテにナスが活躍する理由とそのレシピについて紹介します。
知って得するナスの栄養価
ナスに含まれる栄養素は、カリウムをはじめ、体の調子を整える働きがあります。
どのような役割があるのか、見ていきましょう。
体の塩分を調整する「カリウム」
ナスには、100g中220mgのカリウムが含まれています。
ナスはキュウリやトマトなど同様、他の夏野菜よりもカリウムを多く含みます。
カリウムは、摂りすぎた塩分を体外に排出する働きが魅力的です。
エアコンや寒暖差で疲弊した足や顔のむくみの解消に、役立ちます。
また、水分を体外に放出する時に体の熱を放出します。
体にたまった熱も排出し、体内環境を整えてくれるため、夏バテから遠ざけてくれます。
ナスのカリウムを逃さず摂取するには、加熱をレンジにするか生で食べる方法がぴったりですよ。
腸内環境を良好に「食物繊維」
ナスには、100g中2.2gほどの食物繊維が含まれています。
ふわふわとしたスポンジのような感触からは想像しにくいのですが、サトイモやこんにゃくと同じくらいの量の食物繊維が含まれています。
ナスに含まれる食物繊維は、ほとんどが不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のカサを増やすことで排便をスムーズにしたり、
有害物質を体外へ排出する働きがあります。
お通じを促し、腸の環境整備に役立ちますよ。
成長を助ける「葉酸」
ナスには、100g中32㎍の葉酸が含まれます。
葉酸は、ビタミンB群の1つで、ビタミンB12と共に赤血球を作る働きがあります。
そのため、葉酸が不足すると貧血を起こす恐れがあり、貧血予防に役立つ栄養素です。
また、葉酸は体の発育に必要な栄養素でもあります。
胎児の成長や、成長期の子どもに力を貸してくれます。
目に優しい「ナスニン」
ナスニンは、ナスの皮に含まれるアントシアニンの1種です。
アントシアニンとは?
植物が紫外線など有害な光から実を守るために蓄えられる、青紫色の天然色素。
アントシアニンには、目の疲れを和らげる働きがあります。
パソコンやスマホなど、目を沢山使った時に役立ちますよ
ナスニンは皮に多く含まれるため、皮ごと一緒に食べることがポイントです。
次は、栄養素が高く、おいしいナスを選ぶコツを紹介します。
おいしいナスの選び方
ナスは、他の野菜と同じように旬のものほど栄養素が多く含まれます。
太陽をさんさんと浴び、力を蓄えたナスは、どのような特徴で見分けるとよいのでしょうか。
ナスの旬は初夏~秋
ナスは年中スーパーに並ぶ野菜ですが、旬の時期に栄養価が高くなります。
ナスの旬
5~10月ごろ
ナスの品種はさまざまですが、いずれも旬や出荷のピークは夏です。
8月にかけて出荷量が増え、価格が下がる傾向があります。
みずみずしさが特徴の夏ナスは、ジューシーな味わいが楽しめますよ。
艶とハリがおいしいナスの証
ナスを購入する際は、よく観察し実際に手に取ってみて、次のポイントに注目しましょう。
・表面に艶とハリがある
・色鮮やかな紫紺色
・ずっしりとした重みがある
・ヘタのわきの部分の色が白っぽい
・ガクが鋭くとがっている
艶とハリがあり、色鮮やかなナスは、太陽の光をたっぷり浴びた証になります。
重みがあるナスは、水分を保持している証拠です。
注目すべきはヘタのわきですが、紫色にならず白色であれば、日の当たらない時間に収穫されたナスのため水分の蒸発を防いでくれます。
もう一つ確認したい場所が、「ガク」と呼ばれるナスのヘタの部分です。
茶色く変色しているガクは、収穫後に時間が経ち、古くなっています。
ピンととがって、はっきりとした色をしているガクが新鮮な目印です。
ナスを手に取ると、生育から収穫・出荷までのストーリーが見えてくるのでお勧めですよ。
ガクの下はフレッシュなおいしさ
ナスのヘタとガクは混同されやすいですが、指し示す場所が異なります。
ナスのヘタは、実と茎を繋ぐ付け根の先端の部分だけです。
花びらのように広がった部分はガクといい、その下に隠れている実の部分は食べられます。
つまり、ナスのヘタをガクごとばつんと切り落としてしまうと、ガクの下にある実も一緒に切ってしまうことになります。
ナスのヘタを切るときは、まずガクを取り除き、その後にヘタだけ切り落とすことで無駄なくキレイに処理できますよ。
実まで削ってしまわないように、優しい力加減でそぎ落としていくことがポイントです。
ナスのおすすめレシピ3選
ナスの栄養を余すところなく食べるポイントは、次の3つです。
1.皮まで丸ごと調理
2.10分以内のあく抜き
3.油を使う
皮に含まれる栄養素を摂り、あく抜きにより溶出してしまうカリウムやナスニンを油で守ることができます。
調理のコツを踏まえて、レシピを見ていきましょう。
ナスとミニトマトのマリネ
紫と赤のコントラストが鮮やかな、一品です。
レンジを活用することで、栄養を守り、手軽に作ることができますよ。
オリーブオイルとバジル使うことで、香り良く仕上がります。
ナスとひき肉の混ぜご飯
ナスとひき肉の旨味が、ごはんとの相性ぴったりの一品です。
ごま油を使用することでナスの栄養を守り、風味が良くなります。
また、ナスに塩をふってしんなりさせて水気を絞ってアク抜きをしておくことで、色落ちせず味もよく入ります。
こってりとした深い味わいと、さっぱりとしたシソの清涼感が食欲をそそります。
炊いたご飯に炒めた具を混ぜるだけという手軽さも、魅力的ですね。
ナスの揚げびたし
定番の揚げびたしも、レンジを活用することで栄養素の損失を防ぎます。
油を用いて加熱したナスをつけ汁につけることで、揚げなくても揚げたような食感になります。
鰹節のだしのうまみが、ナスのおいしさを引き立てます。
日ごとに味が染みていくので、変化も楽しんでみてくださいね。
まとめ
ナスは、5~10月ごろが旬で、夏が最もおいしく栄養価の高い野菜です。
艶やハリ、重みがあるナスほどみずみずしく、多くの栄養を含んでいます。
ナスの栄養素は、カリウムや食物繊維など他の野菜に比べて豊富で、夏バテを解消し、体の調子を整えてくれます。
逃さず栄養を取るには、皮を残す・あく抜きの時間を短く・油を使うといったテクニックが有効です。
おいしいナスをたっぷり食べて、初夏も元気に過ごしたいですね。