冬が近づくと、煮物などの温かい料理が恋しくなりますね。
大根は、年中手に入る野菜ですが、これからの季節どんどん美味しくなっていきます。
主な旬は10月~3月頃で、これから価格も安価になりやすくついつい手に取ってしまいますが、気づいたらぱさぱさになっていということはありませんか。
せっかく、美味しい大根があるなら、美味しい料理に変身させて楽しみたいですね。
この記事では、大根を丸ごと1本使い切れるレシピと、大根に含まれる栄養素についてお伝えします。
ついつい、箸が止まらなくなってしまいますよ。
栄養がぎゅっとつまった大根の根
大根の「根」の部分には、優秀な栄養素がたくさん含まれています。
まずは、どんな栄養素が含まれているのか、みていきましょう。
消化をよくする!消化酵素3つ
大根の根には、3つの消化酵素が含まれています。
<3つの消化酵素と主な役割>
・ジアスターゼ(アミラーゼ)・・炭水化物分解酵素
・プロテアーゼ・・・・・・・・・たんぱく質分解酵素
・リパーゼ・・・・・・・・・・・脂肪分解酵素
ジアスターゼ(アミラーゼ)は、炭水化物(でんぷん)の消化を助けます。
大根おろしをうどんやそばの薬味にしたり、お餅と一緒に食べる「からみ餅」は組み合わせがよいといえます。
プロテアーゼは、タンパク質分解酵素です。
肉や魚を調理する前に大根おろしに漬け込んでおくと、やわらかくする効果があります。
リパーゼは、脂肪の消化を助けます。
天ぷらなど揚げ物に大根おろしを添えるのは、理にかなった組み合わせといえます。
このように、美味しさや組みあわせて食べる理由には、大根の消化酵素がいかされているのです。
辛みの秘密!イソチオシアネート
イソチオシアネートは、大根の辛味成分のひとつです。
イソチオシアネートには殺菌作用があり、お刺身に大根の「つま」を添えるのは、生ものに対しての殺菌作用が期待された組み合わせともいえます。
また抗酸化作用によって動脈硬化を予防する効果や、抗がん作用も注目されています。
ビタミンC
大根は、人体内で合成できない「ビタミンC」を摂ることができる野菜です。
大根に含まれるビタミンCは、ストレスや感染症に対する抵抗力を高める働きがあります。
また、ビタミンCはコラーゲンの生成にも役立つことがわかっているため、お肌のコンディションを整えるためにはとっても大切な栄養素です。
では、優秀な栄養素が豊富に含まれる大根を使ったおすすめレシピを紹介します。
たっぷり使える大根レシピ2選
まずは、メインの根の部分をたくさん使うことができるレシピを2つ紹介します。
大根を食べると、体の中で次のような働きをしてくれます。
- 消化を促してくれる
- 食後の血糖値の上昇を抑えてくれる
体に良い栄養成分が含まれているため、たくさん食べても健康を害することはありません。
これからご紹介するどちらのレシピも、思う存分大根を楽しむことができますよ。
大根たっぷり!の「豚汁」
大根は「根菜類」に含まれ、主に根っこの部分を食べる野菜です。
根菜は、葉物野菜や果菜に比べて硬く、糖質・食物繊維・水分などがぎゅっとつまっているのが特徴です。
ご紹介するのは、そんな大根をたっぷり使った体の温まる一品「豚汁」です。
だしと豚肉のうまみが大根にしみこんだ、胃腸に優しい味噌汁です。
寒くなる季節の体調管理に、ぴったりですね。
ご家庭でもなじみが深い「豚汁」ですが、大根の良さを見直したこの機会に、たっぷりの大根を入れて食べてくださいね。
ホッとする味、「豚肉と大根の中華煮」
「豚肉と大根の中華煮」は、豚肉の旨味をぎゅっと吸い込んだ大根が美味しい1品です。
豚肉には、疲労回復に役立つビタミンB1が豊富に含まれるため、大根に合わせて豚肉をを食べるとより一層元気になります。
豚バラ肉を使ったレシピが多いですが、脂っこさが気になる場合は、もも肉など他の部位でも美味しくできますよ。
煮物は一晩寝かせると、また違った美味しさがあります。
たっぷりの大根を使って多めに作り、旨味がしみ込んだ翌日もぜひお楽しみください。
ここも美味しい!大根の葉と皮
大根の葉や皮には、根にはない栄養素が含まれているため、捨てずに食べてほしい部位です。
ご飯のお供にぴったりのレシピと共に、大根の葉や皮の栄養素についてもご紹介します。
大根の葉や皮には、栄養がいっぱい
大根の葉は、根の部分に比べ約10倍のカルシウムが含まれています。
カルシウムは妊娠中のママや、育ち盛りの子どもには欠かせない栄養素ですね。
他にも、β-カロテンやカリウムが豊富に含まれています。
大根の根の部分より葉の部分は、料理でかさが減るのでたくさん食べることができます。
皮は、ビタミンCのお助けマンとして活躍します。
大根の皮には、ビタミンCの吸収を助けるビタミン様物質(ビタミンに似た存在)の1種であるビタミンPが含まれます。
大根の根の場合、皮付きと皮むきの主要栄養素の含有量を比べると大きな差はありませんが、カルシウム、葉酸、ビタミンCは皮付きのほうに多く含まれます。
つまり、皮ごと食べたほうが、大根の栄養をより一層摂ることができるのです。
綺麗に洗って活用すれば、生ごみも減り、地球にも体にも優しいですね。
ここでは栄養たっぷりの、大根の葉や皮を活用したレシピを紹介します。
カルシウム満点!「大根の葉ふりかけ」
「大根の葉ふりかけ」は、カルシウムたっぷりの大根の葉と桜エビを使ったレシピです。
大根の葉は、ごま油などのオイルと相性抜群です。
特有の苦味や青っぽさをおさえるために下ゆでする場合もありますが、油で炒めれば気になりません。
辛みもマイルドになるので、子どもも食べやすい味になりますよ。
彩りがよいので、心も満たされる1品です。
朝ごはんや、お弁当にぴったりなので、ぜひ常備菜として作ってみてください。
大根は皮で作った「きんぴら」で、健康に!
大根の皮は「きんぴら」にすると、おいしく食べることができます。
大根の皮も、葉同様にごま油と組み合わせることで、大根特有の香りを和らげる効果があります。
皮を5㎜くらいの厚さにむいて作ると、やわらかく美味しくできますよ。
お好みで、いりごまや青のりをちらすと、風味がよくなります。
きんぴらは、日を追うごとに味が染みていくので、数日間美味しく食べることができます。
大根が苦手でも、ついつい食べちゃう2品
野菜が苦手な子どもは、食感や苦味から大根が苦手で食べられないことがあります。
しかし、食べやすい工夫をすることで、大根好きに変身するチャンスになります。
特に、冬に向けて美味しく、瑞々しくなる大根で試すと効果的です。
野菜嫌いな次男がパクパク食べて実証済の、おすすめレシピ2品を紹介します。
ご飯が進む!「大根のたまり漬け風」
大根独特の苦みや風味が苦手な子には、少し味が濃く調味してある「たまり漬け」がおすすめです。
たまり漬とは、味噌を作る時にでる上澄み(たまり)に野菜を漬けた漬物のことです。
ご飯とあわせたときの美味しさのために、やや濃いめの味付けのものが多いです。
今回は、家庭にある調味料を代用して、たまり漬け風に仕上げました。
大根の旨味と調味料がうまく合わさって、箸が止まらなくなる1品のため、心してお召し上がりくださいね。
酒の肴にもおすすめです。
チーズがおいしい!「とろーりチーズの大根もち」
大根もちにチーズを合わせてアレンジした「とろーりチーズの大根もち」は、子どもから大人までおいしく食べられるおすすめ料理です。
大根もちは、中国の料理として知られていますが、日本の福島県郡山市の郷土料理でもあります。
福島県郡山市の伝統野菜の1つである「会津赤筋大根」は、肉厚でしっかりと煮込んでも煮崩れないのが特徴で、大根もちに合うところから生まれました。
この大根もちに、チーズをプラスして、大根や野菜が苦手な子どもでも食べやすくアレンジしてみました。
チーズを、生地と表面の2か所に使うところがポイントです。
温かいうちに食べて、とろけるチーズをお楽しみくださいね。
では、最後に使い切れなかった大根の保存方法についてお伝えします。
使い切れないときは?おすすめの保存方法
大根のレシピがあっても、1度に全部は作り切れないこともありますよね。
そんなときは、適した方法で冷蔵や冷凍保存をすることがおすすめです。
作り切れないとわかったら、なるべく新鮮なうちに冷蔵や冷凍保存しておくと、再度料理に使った時おいしくできますよ。
それでは、それぞれの方法についてみていきましょう。
くるっと巻いて安心の、冷蔵保存
短期間の保管には、しっかり水分を保持して冷蔵保存すると美味しく保つことができます。
大根はみずみずしさが美味しさの秘密なので、水分を保持してあげることで長く美味しさを保つことができます。
冷蔵保存の場合は、キッチンペーパーを活用して、水分が逃げないように工夫してあげましょう。
(大根の冷蔵保存方法)
- 大根を3等分する。
- それぞれの部位にキッチンペーパーを巻き、ビニール袋に入れる。
- キッチンペーパーが湿ってきたら、まめに取り換える。
大根は葉や茎がついているとしなびやすいので、買ってすぐに葉や茎の部分は切り分けておきます。
葉付きの大根の葉の部分は、葉元ギリギリのところに包丁を入れ、切り口のところにキッチンペーパーを巻きます。
そしてビニール袋に入れて、立てた状態で保存しておきます。
こうすると傷みにくく、葉の部分も余すことなく食べられますよ。
どの部位かわかるように、マスキングテープなどで目印をつけておくと、使う時に便利ですね。
冷凍庫に保存で賞味期限を延長
1度に全部使い切れないときは、冷凍保存しておくと1か月ほど賞味期限を延長させることができるため、長期保管におすすめです。
保存のポイントは、料理ごとにカットや形状を変えてから冷凍することです。
(カット保存で冷凍する場合)
- 大根を、好みの形に切る。
- 冷凍用の保存袋に、小分けにして入れる。
用途に分けてカットしておくことで、すぐ料理に使うことができるのが利点です。
(大根おろしにして冷凍する場合)
1.大根をすりおろしたら、水気を切る。
2.製氷皿や、アルミカップなどに小分けにする。
3.凍ったら、冷凍用の保存袋に移す。
使う時は、自然解凍してそのまま食べることができます。
大根をおろす手間なく使うことができるので、料理のレパートリーが広がりますよ。
まとめ
大根は、冬に旬を迎える野菜です。
みずみずしさと甘味を逃すことなく料理に変身させれば、心も体も満たされます。
野菜が苦手な人でも食べやすいレシピを活用すれば、大根好きに変わるかもしれません。
使い切れないときは、早めに保存することで美味しさを保つことができます。
美味しい大根をたっぷり食べて、冬も元気に過ごしたいですね。