話題の「糖質制限ダイエット」を管理栄養士が徹底解説

やせたい、健康になりたいなど、ダイエットをする理由は様々です。

ダイエットの種類は色々ありますが、「糖質制限ダイエット」は手軽さや、目に見える効果が出やすいことから人気があります。

糖質制限ダイエットの方法は、SNSや本や雑誌にたくさん取り上げられていますが、必要な人はどんな人なのか、効果やリスクはどうなのかをまとめて伝えてあるものは少ないようです。

今回は、管理栄養士が「糖質制限ダイエット」の仕組みを解説し、リスクや必要な人についてお伝えしていきます。

なぜやせるの?「糖質制限ダイエット」の仕組み

糖質制限ダイエットで体重が減る仕組みは、身体が生きていくために持っている働きを利用しています。

ダイエットの仕組みを理解することは、不要なトラブルを起こさないためにもとても大切なことです。

糖質を制限するとなぜやせるのか、身体の脂肪が減るのかについてしっかり理解しましょう。

インスリンの分泌を抑えて、余分な脂肪を蓄えない

糖質を制限すると、「インスリン」というホルモンの分泌が抑えられ、余分な脂肪の合成を抑えることができます

糖質を摂取し、血糖値が上がると、それを下げる働きをする「インスリン」というホルモンが分泌されます。

このインスリンは、血糖値を下げる為に糖質を身体に取り込み、エネルギー源として利用する大切な働きをしますが、その時余った糖は脂肪として蓄えられます。

また、糖質の摂取を抑えると、食後の血糖値の上昇が抑えられます。

糖尿病の方が糖質制限を行うのはこの為です。

このように、糖質の制限をすることでインスリンの分泌を抑え、余った糖質が脂肪に変わることを防ぐのです。

 

エネルギーを作り出す代謝を、糖質から脂質に強制的に変える

エネルギー代謝を、糖質が欠乏した緊急事態の状況に強制的に変えると、脂質からエネルギーを作り出すようになります

本来糖質が十分に身体に入ってくれば、エネルギーは糖質を利用して効率よく作り出されます。

しかし、糖質が不足すると体を動かすエネルギーを作り出すために、脂質を利用した代謝に切り替わります。

摂取した脂質や身体の脂肪を使ってエネルギーに変えていくため、身体の余分な脂肪が落ちてやせていくのです。

糖質制限ダイエットは、厳密な糖質の制限量・必要な脂質やたんぱく質の量を知っていてこそ成り立つものです。

知らずに糖質制限ダイエットを行うと、効果がでないばかりか体調を崩す可能性があります。

なぜやせるのか、脂肪が落ちるのかという仕組みもきちんと理解し、自分にあった方法なのかしっかり確認することが大切です。

 

正しく知ろう!糖質制限とは?

糖質制限ダイエットは人気があり、とても身近になっています。

そのため、「糖質ゼロ」「糖質オフ」などを売りにしている商品も多く出回っています。

「糖質」という言葉が身近になった反面、糖質が「体に不必要なもの」「とらなければとらないほど体に良い」という印象を受けます。

そもそも糖質とは何なのか体の中でどのような役割があるのかをきちんと理解することが大切です

ここでは、身近になった「糖質」と「糖質制限」について解説していきます。

 

糖質って悪者?!実は体に必要な栄養素

糖質は、生きていくうえで必要な「エネルギー源」となる重要な栄養素です

糖質は、消化吸収の過程で効率よく分解され、単糖類(ブドウ糖や果糖)になり、小腸から血中に吸収されます。

その後肝臓に送られ、筋肉に蓄えられたり、血中に放出されて筋肉や脳を動かすエネルギー源となります。

そのため、糖質足からエネルギーが足らなくなり疲労感におそわれるなど、身体や精神面に影響が出ることもあるのです

 

渡邊
渡邊

一見、悪者にされがちな「糖質」ですが、人間に必要な栄養素なのです。

 

混乱しがち!「糖質」と「炭水化物」の違い

糖質と似た捉え方をされるものに、「炭水化物」があります。

この2つの違いについても、ご紹介していきます。

糖質は、炭水化物に含まれる栄養素の一部です

炭水化物は、体に消化吸収される「糖質」と、消化できない「食物繊維」に分かれます。

食物繊維は腸内環境を整えるなど、ダイエット中でも積極的にとっていきたい成分です。

「糖質制限ダイエット」は、炭水化物の中でも糖質を意識して制限する方法なので、「炭水化物を全て制限する」という意味では無いのです。

 

ほかの栄養素で代わりにしてはダメ?栄養素の役割とバランス

糖質は、エネルギー産生栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)のうちの炭水化物の一部です。

エネルギー源としてだけ考えるのであれば、たんぱく質や脂質も「エネルギー源」にすることができます。

しかし、体の中でエネルギーに代わる過程が違い、糖質ほど効率よくエネルギーにはかわりません。

つまり、糖質の代わりを全て他の栄養素で補うというのは返って不健康な食生活になってしまうのです。

それぞれの栄養素には、「大切な役割」と「役割を果たすためのバランスの良い摂取比率」があります

栄養素のバランスを崩すと、体調を崩したり、将来病気になるリスクが上がると言われています

私たちが食べている食事は、バランスよく食べることが健康への近道なのです。

 

「糖質は制限」しても「エネルギー制限」はしない

糖質制限ダイエットとは、一日に摂取する糖質の量を制限する(減らす)ものです

糖質の代わりに、主に「脂質」をエネルギー源として利用していきます

おかずになる食品や調味料にも糖質は含まれているので、主に糖質が多く含まれる食品を減らすことで、摂取量を制限していきます。

糖質が多い食品の例は、次の通りです。

 

「主食」・・・ごはんやパン・麺など

「糖質が多く含まれる野菜」・・・芋類、カボチャやトウモロコシなど

 

また、糖質の食品を減らした分、たんぱく質を多く含む肉や魚・良質な脂質を代わりにしっかり食べて、摂取エネルギーを減らさないようにすることが必要です。

ほかの食品でエネルギー量を補わないと、体が活動するエネルギーが不足し、自分の体の筋肉などを分解してエネルギーに変えるようになります

 

筋肉量が減ると、基礎代謝量も落ちてしまうため、エネルギー利用効率が悪く、やせにくい体になってしまいます。

さらに筋量の減少は、体が重く、だるくなるなど、心身共に健康な体から遠のいてしまうのです。

基礎代謝量とは

安静状態でも呼吸、心臓の動き、体温維持などの生命活動を維持するために消費される、必要最小限のエネルギー代謝量のことです。

基礎代謝におけるエネルギーの多くが筋肉で消費されるため、筋肉量が多い人ほど基礎代謝量は高くなります。

そのため、適度な運動により筋肉を維持し続けることで基礎代謝を維持し、エネルギー消費の多い太りにくい体質を作ることができると言われています。(引用:コトバンク

 

糖質制限ダイエットが必要な人とは?

誰でも気軽にやっている「糖質制限ダイエット」ですが、本当に必要なのはどのような人なのでしょうか。

「きれい」や「美しさ」を求めるあまり、必要ではない人がダイエットを行うことは、健康を害しかねません。

糖質制限ダイエットが必要な人について理解し、ダイエットを行うかどうかを考えてみましょう。

 

必要:「肥満」や「糖尿病」を改善することが目的の人

糖質制限は、元々は糖尿病の治療や、肥満、メタボリックシンドロームの改善などに使われている減量法です。

「治療」として行っているもので、医師や管理栄養士のサポートのもとで実施します。

つまり、体重過多で「肥満」と言われる方に使われる減量法になります。

ここで言う「肥満」とはBMI(ボディー・マス・インデックス)という、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数が25以上の方を指します

 

糖尿病の方は、糖質を摂取すると本来血液中の血糖を下げるために働く「インスリン」という物質がうまく分泌されにくいため、高血糖の状態が長く続きます。

その状態が続くと体の様々な臓器に悪影響が出て、全身状態が悪くなり、合併症を引き起こします。

そのため、血糖を上げにくい食事として、糖質を抑えた食事をしていきます。

BMIが肥満傾向の方生活習慣病予防の為に「普通体重」に戻していく必要があります

体重を減らすには、生活習慣の改善を軸に、適切な内容と量の食事、運動などを組み合わせて減量をしていきます。

食事の内容と量は、年齢や体格、生活活動強度(活動量)などにより個々で変わってきます。

また一時的な体重の減少ではなく、生涯「普通体重」で過ごすことが疾病予防につながるため、正しい食事や生活習慣を続けていかなければいけないのです。

 

不要:「普通体重」や「やせ」の人

糖質制限ダイエットは、あくまでも体重の減量は疾病の改善や、適正な体重維持のためにおこなうものです。

BMIが「普通体重」や「やせ」の方には、必要なものではありません

不必要な減量やダイエットは、健康を害し兼ねません。

本当に自分に必要なのか、きちんと考えてみましょう。

 

意外と知られていない糖質制限の「リスク」

体重が減りやすく手軽、と良いところが多く見える「糖質制限ダイエット」ですが、間違った理解ややり方によっては「リスク」を伴うことがあります。

心も身体も美しい体を目指したのに、不健康になっては意味がありません。

ここでは意外と知られていない、「リスク」についてお伝えしていきます。

 

リバウンドしやすい

糖質制限は目に見えた効果として体重が減りやすい反面、リバウンドしやすいという傾向があります

理由は3つあります。

①いずれ元の食生活に戻すから(糖質制限は一生続けられない)

②体の代謝の仕組みが通常と変わっているから

③間違った糖質制限によって、基礎代謝量も落ちてしまうことがあるから

 

1つ目の理由は、糖質制限ダイエットは一生続けられないということです。

糖質制限ダイエットは、糖質の摂取にかなり気を付けて食事をしていきます。

私たちの食生活の中で食べる食事の中で糖質はとても多いので、辛く、一生続けていくことは難しいものです。

また、極端に糖質を制限した生活を長く続けることは、健康面で害を及ぼしかねません。

そのため、普通の食生活に戻すと糖質が多い食事に戻り、体重も元に戻っていきます。

 

2つ目は、糖質制限によって体の代謝の仕組みが変わっていることです。

インスリンというホルモンの分泌をできるだけ抑える生活を続けていることで、その分泌能力が一時的に衰えています。

その状態で食生活を元に戻し、糖質を大量に摂取すると、本来必要な量のはずの糖質がエネルギーに代謝できず、余分なものとして残ってしまいます。

筋肉にブドウ糖を取り込むインスリン感受性が低下しているため、余ったブドウ糖が体脂肪として蓄積されやすくなってしまうのです

 

3つ目、基礎代謝の低下により体に必要なエネルギー量が減ってしまうことがあることです。

糖質制限ダイエットは、糖質を制限した分脂質でしっかりエネルギー量を確保し、必要なたんぱく質をとることが必要不可欠です。

これらが足りない状況で糖質制限をしていくと、体は生きていくために必要なエネルギーを「筋肉を分解する」ことで作っていきます。

筋肉が減ると、筋肉を動かすために必要なエネルギー量(基礎代謝量)が減り、以前と同じ食事量を食べると太ってしまうのです。

これらの理由からわかるように、糖質制限ダイエットはしっかり仕組みを理解し、解除した後もリバウンドをしないようにゆっくり元の生活に戻していく必要があります。

 

渡邊
渡邊

糖質制限ダイエットや解除の方法は、リバウンドを防ぐためにも専門家の指導がないと難しいのですね。

 

疲れやすくなる

糖質制限をしていると、頭がボーッとしたり、疲れやすくなることがあります。

これは、効率よくエネルギー変わる糖質を制限したことで、脳や体のエネルギーが足りなくなるからです。

特に、糖質の制限だけではなく、食事全体の量が減ってしまっている場合にこのような症状が起きやすくなります

疲れやすさは、やる気や活力が落ち、仕事や勉強の効率も減るなど良いことはありません。

めまいや頭痛などの慢性的な体調不良に陥ることもあるので、注意が必要です。

 

偏った食品の過剰摂取による「生活習慣病」リスク

糖質制限ダイエットは、糖質を制限した分、脂質やたんぱく質からエネルギーを摂ります。

しかし、糖質のかわりにこれらの食品を多く取ることで、体重は減っても別の疾病につながることがあります。

例えば、糖質・炭水化物を減らした食事は、エネルギーを摂取するために必然的に「おかず」が多い食事になります。

その結果、肉類に多く含まれる飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量が増え動脈硬化や高コレステロール血症など循環器疾患のリスクも増えてしまいます

また、おかずが中心の食事になると、塩分量も増え、高血圧などのを引き起こし、生活習慣病につながってしまいます

昔から言われている、炭水化物(糖質)と、たんぱく質、脂質のバランスは、身体にとって総合的に病気になりにくい、健康を維持するために大切なバランスです。

手軽さや甘い言葉に惹かれ、安易に糖質制限ダイエットを行うことは、将来的に生活習慣病につながる可能性があるためお勧めしません

 

生涯の健康のための「バランスのいい食事」を

ここで、いま一度ダイエットの本当の目的を考えてみましょう。

「モデルのようになりたい」

「好きな人に振り向いてほしい」

など、やせたい目的はさまざまです。

しかし、考えてほしいのは外見が細くなることだけが「美しさ」ではないということです

むやみなダイエットで体調を壊したのでは、元も子もありません。

食事は、将来の体をつくる大切なものです。

将来まで健康な身体を維持し、長く元気に生きていくことができるバランスの良い食事をしっかりとりましょう。

 

正しいボディーイメージを

ダイエットをしようとする人の多くが、本当はダイエットの必要のない健康な状態にあります。

先程紹介したBMIの「普通体重」のボディーイメージが、皆さんの理想であるなら、無理なダイエットをする人は少ないかもしれません。

しかし、ダイエットを行う人の多くが、BMI18.5未満の「やせ」のボディーイメージを目指している傾向があります。

 

 

美しさの基本は心身共に「健康」であることです。

普通体重より痩せている状態を理想とすることは、生理不順や早産などによる低出生体重児の出産などのリスクを高めます

自分の身体が、未来の自分の健康と次の世代につながる体であることを意識しましょう。

また、ボディーイメージの歪みによる痩せ傾向は、思春期の摂食障害の増加にも関係していると言われています。

摂食障害は心と身体のバランスが崩れ、時には命にも関わる、自分では克服が難しい病気です。

やせ傾向は様々ななリスクがあることをしっかり理解し、無理な不必要なダイエットはしないようにしましょう。

 

食事制限の前にチェックすること

「体重が増えてしまった」「普通体重を超えてしまった」というときに、食事制限のダイエットを考える前にチェックしてほしい生活習慣があります。

 

・生活リズム

・間食やジュースなどの有無や量

・お酒の量

・運動の有無

 

生活リズムについては、2つ確認することがあります。

早寝早起きをして消費エネルギー効率が良い体にすることと、3回の規則正しい食事をしっかりとって、欠食していないことです。

食事の細かい内容も大切ですが、生活リズムが乱れていると、効率悪い代謝になることで、消費エネルギーが落ちてしまっていることがあります

また、欠食は一見体重が落ちそうですが、欠食の時間が長いほど次に食事が入ってきたときに、体に脂肪を蓄えやすくなることがわかっています

3回の食事を規則正しくしっかり食べ、余分な間食や飲み物が多くなっていないかをチェックすることが、健康にやせる第一歩です。

また、体重の増加は摂取エネルギーが消費エネルギーを上回った状態です。

食べた分、しっかり動いて消費していれば増えません。

日々の生活で活動量が減っていないか、確認してみましょう。

走ったりジムに通わなくても、通学や通勤の歩く距離を増やす、エレベーターを階段にする、など毎日継続できる内容が効果的です。

こういった運動は根気が必要ですが、結果的に筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、消費エネルギーが多い太りにくい体になるため、一石二鳥なのです。

 

バランスの良い食事が将来の健康財産に

バランスの良い食事は、心身ともに健康で長く生きていくために一番良い食事です

それは、身体に負担なく、心も元気でいることができるバランスになっているからです。

一般的にバランスが良い食事は、炭水化物:たんぱく質:脂質のバランスが60%:15%:20~25%と言われています。

それを食品レベルに表したものが、食事バランスガイド(引用:厚生労働省HP)になります。

1日で取るべき食事の内容をコマにみたてており、綺麗にコマを回す為にはこのバランスで食事を食べる必要があります。

 

まず、自分の今の食事が、このコマのようになっているか、確認してみましょう。

何かが多かったり、少なかったりすると、やせたり太ったり、身体の調子を崩す可能性があります。

また、疾病などの理由なく糖質を極端に制限するのはおすすめしませんが、このバランスガイドのコマの量以上に食べている場合は、適正量に減らす必要があります。

このバランスを目指して、心身ともにいつまでも元気でいることを目指しましょう。

 

まとめ

糖質制限ダイエットは、糖質を制限することで脂肪を燃焼させやすい体をつくることを目的としています。

ただし、その方法は「栄養素」と「体の代謝の仕組み」をしっかり理解して行う必要があります。

間違った方法で行うと、体調を崩すばかりか、かえって太りやすい体になってしまいます。

そして何より、ダイエットが本当に今の自分に必要なのかをしっかり見極めることが大切です。

必要な場合は、医師や管理栄養士などの専門家に相談し、将来まで健康な体でいるための食事や生活習慣を身につけましょう。

 

この記事を書いたひと

FBS2期卒業生 三浦 寛子

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