「栄養士の仕事に、なんだか疲れてしまった…」
「悩んでいるのは、自分だけなのかな?」
栄養士をしている人なら、1度は仕事に対して疑問を持ち、辞めたいと葛藤した経験があるはずです。
疲れの原因は、いろいろと考えられます。
栄養士の仕事は、多岐にわたるため大変なことが多いのです。
体力的なことや人間関係・勤務時間や給与など、悩みもそれぞれに異なります。
自分だけが大変なように感じてつらくなるかもしれませんが、思い詰めずに一息ついて、冷静になってみませんか。
この記事では、栄養士が疲れてしまう理由と対処法をお伝えします。
栄養士の疲れの理由
まずは、栄養士の疲れの理由を知るために、自身を客観的にみてみましょう。
疲れの原因を客観的にみてどうなのかを知り、本来自分の目指している方向へ進めるようにする必要があります。
疲れの原因を知ることで、今後の対処法を見つけることができます。
社会人1年目でも「責任ある立場」になるから
栄養士の仕事内容はさまざまですが、社会人1年目でも有資格者として責任ある仕事を求められます。
本来1年目なら、社会のルールやひと通りの仕事を覚えるだけでも大変なことです。
しかし、栄養士の先輩に手取り足取り、仕事を教えてもらうことが難しいのが現状です。
栄養士が1人だけの職場であったり、栄養士の人数が少ない職場であったりすることも多いのです。
例えば、小規模な病院や高齢者施設の栄養士は、年上の調理師やパートに聞きながら仕事を学ぶことが多くあります。
栄養士と調理師は立場が違うため、調理師の仕事を優先した仕事内容になっていることもあります。
欠員やトラブルが発生した場合には、栄養士がフォローすることがほとんどです。
事務所に栄養士のデスクが置かれていることも多く、事務仕事や他部署の手伝いも任されることもあります。
また、他部署との連携も円滑に進めるよう努力しなければなりません。
このように、栄養士の仕事は手伝ってもらえないものの、フォローや仕事量は増えていくばかりのなるのです。
いろいろな人との連携・コミュニケーションも円滑に進めなければなりません。
早朝勤務や長時間労働で体力的にキツイから
小規模の病院や高齢者施設では、早朝勤務や長時間労働が必要なケースがあります。
人員不足を補うために栄養士が朝早く出勤し、現場作業を終えてから事務作業を行うような場合があるのです。
栄養士が1人という職場では、他の仕事をフォローする役割もあるので、早朝から夜遅くまで厨房の中にこもりっきりということも少なくありません。
さらに栄養士としての献立作成や発注業務にも追われ、精神的にもストレスのかかる状況になります。
このように栄養士の事務作業は、現場作業優先の為に後回しになり残業を強いられ、長時間労働の状況が続いてしまうのです。
プライベートの時間が取れず、オンオフの切り替えが難しい
プライベートの時間の確保やオンとオフの切り替えが難しいのも、疲れの原因の1つです。
勤務時間が朝早かったり残業で夜遅くなったり、さらに土日祝日の休みも取れないとなれば、休日は疲れて寝るだけになるのも無理はないです。
さらに、プライベートの時間が取れないことで落ち込むこともあります。
例えば、同じ学校を卒業後に栄養士ではなく一般企業に就職した学生時代の友達は、プライベートの時間を充実させています。
就業時間が終わればすぐに会社を後にして、習い事や趣味などの時間を楽しみ、休日もリフレッシュの時間にあてています。
状況の違う友達に休みを合わせて、食事に行っても話が合わず、リフレッシュにもなりません。
私自身の経験では、ストレス発散どころか、プライベートな時間の使い方の違いに自己嫌悪になってしまうこともありました。
仕事内容の理想と現実のギャップがつらい
栄養士になりたいと思った理由が、人それぞれにあると思います。
栄養士になって憧れの仕事に就きたいから、しんどい仕事も頑張っているのに、先が見えないと不安になります。
理想の仕事と異なる雑務に追われるばかりでは、心も疲れてしまいます。
実務経験を積んで管理栄養士の資格を取得したいのに、体がしんどく管理栄養士の勉強ができず、めげてしまいそうになります。
栄養士に疲れた時の対処法
栄養士の疲れの原因には、体力的な疲れや精神的なしんどさ・仕事量の多さや長時間労働などがあります。
栄養指導では、指導の対象者の方への言葉使いなども慎重になる必要があり、気苦労の多い仕事です。
他部署との連携が必要な仕事では、円滑に進められるコミュニケーションのスキルも必要となります。
経験年数の少ない栄養士にとって、仕事内容を覚えること以外に人間関係に気を使うことが多く、ストレスの原因ともなります。
では、具体的にどのように対処すればよいのでしょうか。
責任を共有できるようにする
現場でトラブルが起きた時に対応するのは、栄養士の仕事です。
しかし、経験年数の少ない栄養士にとって、トラブルの対応は難しい業務です。
まずは、トラブル発生時の責任を共有できるようにする方法があります。
例えば、厨房内でのトラブルに関しては調理師に責任を持ってもらい、栄養士は窓口になって事務手続きを担うようにします。
【調理師さんに担当してもらう項目例】
- 洗浄機の故障
- 異物の混入
- 調理上の不具合 など
調理師に責任を持ってもらうと作業も円滑になり、通常の作業も円滑に進みます。
トラブルの事務的な処理は栄養士が行わなければいけませんが、責任の共有をできるようになると気持ちが楽になります。
早朝勤務や長時間労働などの体力的な相談
人材不足で、早朝出勤をしなければならない場合は、就業規則に定められた時間内に仕事を終わらせるようにします。
もし、長時間労働になるなら残業手当などの相談が必要です。
上司に相談しても、仕事内容の変更や人員の補充をしてもらえない場合は、転職を考えてみたほうがよいかもしれません。
体力的に厳しい場合は、長時間労働に加え、作業環境が悪くないかの確認が必要です。
2点を確認した上で、上司に相談し必要な対策を考えてもらいます。
【相談例】
- 厨房内が暑いので、クーラーの交換をしてもらうか扇風機を増やす。
- 重いものを運ぶために、台車付の作業台を購入してもらう。
- 立ち仕事の時間が長いので、昼休憩を短くして作業中に10分休憩をもらう。
労働環境を改善するのも、上司の仕事のはずです!
プライベートの時間がとれるよう割り切る
質の高い仕事をする上で、プライベートな時間を取り、リフレッシュすることは大切です。
今担っている仕事が、自己犠牲を払ってまでやらなければならない内容なのか考えてみましょう。
プライベートの時間がとれなければ、栄養士としてスキルアップするための時間もとれなくなります。
就業時間内に仕事が終わらない場合は、仕事内容を書き出し、自分の能力不足で終わらないのかを知ることが必要です。
物理的に時間内に仕事が終わらないなら、作業そのもののタイムスケジュールの見直しをします。
自分の能力不足だと感じた場合は、なぜなのか理由を考えることも必要です。
自分自身の経験では、パソコンの栄養管理ソフトが上手く機能しておらず、作業に時間がかかっていたことがあります。
教えてもらった方法が、違っていて作業が終わらないこともありました。
何度やっても時間内に作業が終わらない場合や同じミスが何回も起こる場合は、作業内容そのものに問題がないか見直すことも必要です。
自分の理想とする仕事に近づくためにどうすればいいのかを考える
現状に疑問を持ったら、自分が栄養士としてやりたいことは何かを再確認しましょう。
やりたいことが、「今の仕事の延長線上にあるのか」・「どうすればできるのか」を調べます。
管理栄養士の資格が必要であれば、実務経験を積んで資格を取得することを優先します。
栄養士の実務経験を積むために働いているけれど、労働条件が改善されない場合は、よい条件のところへ転職します。
まとめ
栄養士の疲れの原因は、さまざまです。
疲れの原因を客観的にみてどうなのかを知り、自己犠牲を払わず、本来自分の目指していることに挑戦してほしいと思います。
社会人として、栄養士として経験が少ない場合は、素直に教わる姿勢があれば丁寧に教えてくれることもあります。
社会人経験を積むことで、栄養士に必要なコミュニケーション力は備わります。
体力的に厳しい場合は、長時間労働になっていないか、作業環境が悪くないかの確認も必要です。
作業環境や仕事の内容で困っていれば、上司に相談することで解決することもあります。
疲れの原因を相談しても解決策が見つからない場合は、転職を考えることが必要かもしれません。
どのような仕事でも大変なことはありますが、疲れてキツイと感じたらまずは自分の頑張りを認めて、できることを見つけていきましょう。