年末といえば、大掃除があります。
1年の汚れをしっかり落として、きれいなキッチンで新年を迎えられたら幸せですね。
しかし、日ごろの汚れが溜まったキッチンの水回りの掃除は、ちょっと気がめいります。
そこで今回は、キッチンの水回りに注目して、手軽にピカピカに掃除する方法をお伝えします。
適した洗剤の秘密を知ることで、楽々汚れを落とすことができますよ。
どうして水回りは、汚れてしまうの?
キッチンは、毎日水を流してい綺麗に見えても、水あかやシンクのくすみが気になります。
どうして汚れができてしまうのか、原因が分かれば改善できます。
汚れができやすい場所ごとに、みていきましょう。
ぬるぬる嫌だ!排水溝のぬめり汚れ
ぬめりの原因は、細菌やカビバクテリアなどが増殖するときに出す、粘膜物質が集まったものです。
<微生物が増える原因>
・湿気
・ごみのカス
・石鹸カス
蛇口は、汚れた手が触れたり、食べ物や飲み物の残りが付着しやすいため、蛇口の下に垂れてぬめりを作ってしまいがちです。
また、ぬめりは掃除したとしても、細菌やカビが少しでも残っているとそこから増殖してしまいます。
掃除をする時は、ぬめりを取り除くだけでなく、漂白や乾燥をして、完全に菌を死滅させることがポイントになります。
気づくと真っ白!シンクのくすみ
きれいにしているつもりでも、シンクが気づくと真っ白!ということがありますよね。
シンクが真っ白になっているのは、「水垢」が原因です。
水垢がつく一番の原因は、水道水に含まれる「ミネラル」です。
<水垢の原因になるミネラル>
カルシウム・マグネシウムなど
シンクに水が付着している場合、水そのものは蒸発すれば気体となってなくなるのですが、水に含まれるミネラル分は残ってしまいます。
そのため、シンクを掃除したとしても、湿ったままにしておくと水垢がついてしまうのです。
また、こうして付着した水垢に、掃除しきれなかった食品カスや油汚れ、石鹸カスなどが結合し、日々蓄積していくことによって、どんどん頑固な白い汚れになっていきます。
シンクの掃除をする時は、ミネラル分を取り除き、溜めないようにすることがポイントです。
じわじわ蓄積!蛇口の黒カビ
蛇口の黒カビは、繁殖力が強いため、どんどん蓄積されます。
カビは、次のような環境・状態で繁殖する性質があるため、これらを避けることができれば黒カビを溜めずに済みますよ。
湿度:80%以上
温度:20~30度くらい
汚れやホコリが溜まっている
酸素で活性化することもある
黒カビを避けるポイントは、乾燥です。
掃除の後は、忘れず水滴をふきとることで、黒カビを寄せつけにくくできます。
続いて、掃除のコツについてお伝えしていきます。
年末こそ、しっかり掃除してピカピカに
大掃除では、普段掃除している場所も念入りに掃除できます。
知らない間に溜まってしまった汚れを、汚れに合った洗剤でスッキリ落としてしまいましょう。
手近な洗剤でも、用途に合わせるだけで簡単にきれいにすることができます。
汚れごとに適した掃除方法を、みていきましょう。
排水溝のぬめりには、「塩素系洗剤」
排水溝のぬめりをとるには、塩素系の洗剤が効果的です。
塩素系の洗剤って何?
「塩素系」とは、次亜塩素酸ナトリウムを主成分としている製品
キッチンの排水口のぬめりとり掃除には、次のアイテムを用意します。
軽度のヌメリであれば、塩素系洗剤の代わりに重曹の泡で代用することもできます。
うまみ成分が入っている米酢や寿司酢は掃除に向かないため、使用する酢は穀物酢やワインビネガーなどを使用しましょう。
キッチン排水口のぬめりをとるときに注意してほしいことがあります。
塩素系洗剤を使用する場合は、正しく使用しましょう。
換気扇を回し、窓を開けるなど必ず換気をした上で塩素系洗剤を使います。
次のポイントを頭に入れて、掃除しましょう。
〈塩素系洗剤を使う時のポイント 〉
◎皮膚についたり目に入ったりすると炎症を起こす可能性があるので、手袋やメガネ、マスクなどの対策をして作業する。
◎塩素ガスには独特の刺激臭があるため、少しでも異臭を感じる場合は、すぐにその場から離れる。
◎吸うだけでも鼻や喉などに強い痛みを感じることがあります。
必ず裏面の表示をみて、何系の洗剤か確認してから使うと安心ですね。
真っ白な水垢には、「重曹ペースト」
薄くついた水垢は、まず重曹で掃除してみましょう。
重曹で掃除する場合は、重曹ペーストを作ります。
重曹は水に溶けにくいので、ぬるま湯を使うとよいです。
重曹には研磨作用があるので、固まった水垢を削り落とすことができます。
ただし強く磨くと傷つけてしまうので注意しましょう。
蛇口のような傷がつきにくい場所や、目立たない箇所で試してみてから使うと安心です。
本来、アルカリ性の水垢を落とすには、酸性の洗剤で掃除すると中和され落ちやすくなります。
しかしアルカリ性である重曹は、水垢を落とす力が研磨効果のみなので、軽い水垢の掃除に向いている方法です。
これで落ちない場合は、クエン酸でパックしましょう。
クエン酸には、固まってしまった水垢を柔らかくして落ちやすくする力があります。
「アルカリ性」の水垢を溶かす秘密が、「酸性」のクエン酸です。
クエン酸が手に入らないときは、酢で代用できます。
その場合は、1:1の割合の水で薄めましょう。
ただし、排水溝のぬめりとり掃除と同様の注意が必要です。
クエン酸や酢を「塩素系漂白剤」と併用しないことです。
以下の注意点を意識して、掃除しましょう。
◎塩素系漂白剤は酸性のものと混ざると有毒ガスが発生する。
◎酸性の洗剤の洗い残りでも、有毒ガスを発生することがあるので注意する。
またクエン酸、酢のような酸性のものは長時間置きすぎると素材を痛めることがあります。
2時間を超えて放置するときは様子を見ながら少しずつ行いましょう。
蛇口の黒カビには、「クエン酸+重曹」
蛇口の黒カビには、塩素系の洗剤または、クエン酸と重曹を混ぜた洗剤が効果的です。
水を使用する際に洗剤の残りが混ざらないように、しっかりと水で洗い流すことが肝心です。
洗剤を洗い流した後には、新しい黒カビの発生や水垢の付着をできるだけ防ぐために、蛇口全体の水気を使い捨てペーパーなどできれいに拭き取っておきましょう。
塩素系の漂白剤などの洗剤を使用すると、黒カビをキレイに取り除きやすいのは確かですが、水の中に残った洗剤が混入するかも知れないと気になる人もいるでしょう。
その場合、洗剤を使わないで掃除する方法もあります。
クエン酸と重曹を混ぜたものを、洗剤の代わりに使用するのです。
クエン酸も重曹も、料理の材料にも使えるものなので、水に混ざって人間の体内に入っても全く問題がなく安心です。
クエン酸と重曹の働きで黒カビが浮かび上がりやすくなるので、洗剤を使わなくてもしっかりとキレイにすることが可能です。
また、クエン酸は酸性なので、アルカリ性の水垢をキレイに洗い落とすのにも役に立ちます。
日ごろから掃除できたらなおGOOD
年末にまとめて掃除することも大切ですが、普段から汚れをためない生活ができたら理想ですね。
最後に、普段から簡単な手入れをするだけで、カビやぬめりを付けにくくするコツをお伝えします。
「ごみ取りネット」で排水溝掃除
掃除のたびに、スポンジを変え、捨てるのは面倒ですね。
また、掃除用のスポンジを用意して置いておくのはあまり衛生的ではありません。
そこで役立つのが、「ごみ取りネット」です。
ゴミ取りネットは、使用ごとに捨てるため衛生的です。
やり方はとっても簡単で、次のごみ取りネットを装着する前に、スポンジ代わりにして掃除することです。
ゴミ取りネットに洗剤をつけ、シンクや蛇口、排水溝を洗ってしまいましょう。
余計なゴミや手間がなく、毎日続けやすいですよ。
「ペーパー」で水滴を拭きとる
カビやぬめりの原因である雑菌は、温かくて水気のある場所で増えます。
そこで、掃除の最後に水滴を拭き取りましょう。
拭き取るときは、使い捨てのペーパーで拭き取ると衛生的です。
シンクや蛇口の水滴を拭き取れば、輝きも増して一石二鳥ですね。
殺菌のお供、「液体の排水管用の洗剤」
排水溝の掃除まで手が届いても、排水管まで掃除することはなかなか難しいです。
そこで役立つのが、「液体の排水管用の洗剤」です。
食べ物のカスや、油汚れなどが流れていく排水管は、汚れを蓄積しやすい場所です。
年末の大掃除以外でも日ごろから、汚れを溶かす液体の排水管用の洗剤を流すことで、汚れを溜めにくくすることができます。
液体の洗剤を使うことで、排水管内をくまなく掃除することができる
排水溝からの嫌なにおいを予防することもできるので、週に1回程度流しましょう。
液体を流すときは、洗剤の残りがないか確認の上、換気して行うと安心ですよ。
まとめ
師走は、名前のごとくあっという間に過ぎていきます。
見えないところで蓄積された汚れを落とすのにぴったりの大掃除で、キッチンをきれいにしましょう。
ぬめりには塩素系洗剤、水垢には重曹、カビにはクエン酸+重曹が効果的です。
汚れに合わせた洗剤を知っているだけで、掃除の効率がぐんとアップしますよ。
掃除をしてきれいになると、気持ちも穏やかになります。
すがすがしい気持ちで、新しい年を迎えられるといいですね。