季節が梅雨になると、じめじめして食べ物の保存が不安になります。
あなたのおうちの冷蔵庫や冷凍庫で、眠っている食材はありませんか?
食中毒の心配があったり、罪悪感があったり、様々な理由で「食材は余らせたくない!」と思う人は多いと思います。
余らせた食材は「食品ロス」となり、環境にも家計にも良いことはありません。
SDGsの12では、「つくる責任、つかう責任」をうたっています。
食品ロスを減らすために、すぐにできる方法が分かったら嬉しいですよね。
この記事では、余ってしまいやすい食材とその食材をおいしく保存し、使い切る方法をお伝えいたします。
食材を残さない工夫と、食材が余ってしまっても上手に保存や活用する方法が分かれば、環境にも家計にも優しくなれますよ。
それでは早速、余りやすい食材についてみていきましょう。
食材はどうして余ってしまうの?
使い切ろうと思ってもなかなかうまくいかない原因、食品ロスが出てしまう理由は一体どんなところにあるのでしょうか。
消費者庁の調査によると、「まだ食べられるのに食品を捨てた理由ベスト3」が分かっています。
1位 食べ残し(57%)
2位 傷んでいた(23%)
3位 期限切れ(11%)
その他には、「おいしくない」などの理由が挙げられています。
なぜ食品が余ってしまうのか、具体的な原因を探っていきましょう。
消費期限、賞味期限切れ
消費期限や賞味期限が切れると、安全が損なわれます。
これを理由に、食品ロスが発生しています。
食中毒などから家族の健康を守るために、期限切れの食材を捨てざる負えないことがありますが、期限について正しい知識を持っていれば食品の安全を見極める力が養われます。
食品の期限は、2種類です。
・消費期限:安全に食べられる期限
・賞味期限・おいしさと品質が保たれる期限
消費期限を超えると安全ではなくなる可能性があるので、食べることはよくないとされています。
一方、賞味期限は未開封かつ保存方法が守られている場合であれば、期限を超えたからといってすぐに安全に問題があるとは限らないと定められています。
期限を正しく理解せず、「期限が切れた」ことだけに不安を感じ、食品が捨てられてしまうことがあります。
買ってしまったまま忘れて期限が切れてしまう・・というのも食品ロスの原因になります。食材の期限管理は大切ですね!
食べる前に傷んでしまい、ゴミ箱へ
レタスやきゅうりなど、食べようと思って購入した食材が傷んでしまいった原因があります。
だいたいの人が、傷んでしまうと食卓に出すのをためらってしまいます。
お腹が痛くなったり、健康を害したりしてしまっては困るので、傷んだ食材は捨てられてしまいます。
早く気づいていれば加熱や冷凍により食べることができるものも、傷んでしまってからでは遅いのです。
食材が傷んでしまう前に食べてしまうか、適切な場所で保存できていれば、食品ロスを回避できそうですね。
食べ残しで食品ロス
食べ物を残してしまい、食品ロスになっていることがあります。
意図的な食べ残しを除いて、乳幼児期の子どもを育てるご家庭では食べ残しが発生してしまうことは仕方ないこともあります。
味覚の形成期で偏食が芽生え、食べる量の勉強中なので、いたしかたない食べ残しもあるからです。
しかし、わざと残したり、食べきれないほどの量の料理を用意して残して食品ロスになっていることもあります。
では、具体的にどんな食材が余りやすいのでしょうか。
食品ロスが多い食材はアレだった!
ついつい残ってしまう食材は、必要以上に買い込んでしまったり、存在を忘れてしまったりすることがあります。
どんな食材が残りやすいのでしょうか。
余りがちな食材を意識するだけでも、買い物に変化が現れますよ。
使い切れず困る、野菜たち
食品ロスの大半は、野菜です。
野菜は水分が多いため、腐りやすい欠点があります。
エステー株式会社が行った調査では、廃棄が多い野菜が「キャベツ」「レタス」「きゅうり」がベスト3です。
いずれも、みずみずしさがおいしい野菜ですが、ゆえに保存が難しいデメリットがあります。
細菌は、湿ったところを好むので、水分が多い野菜ほど腐りやすい傾向にあります。
また、「キャベツ」「きゅうり」「レタス」は生食も可能で、用途がたくさんあり便利です。
そのため、冷蔵庫に入れて置いたら安心と思って買ったものの、使い切れずに傷んでしまうことがあるのです。
それぞれに合った保存方法が分かれば、傷みが少なく、おいしく食べきることができます!後ほどお伝えしていきますね!
使う機会が少なくて、ロスになる調味料
テレビやSNSで注目された調味料を、ついつい買ってしまうことがあります。
どんな味か気になり試してみたくなる気持ちから購入したものの、飽きてしまったり好みの味ではなかったりすると、使い切れずに残ってしまいます。
また、たまにしか使わない調味料は、知らずのうちに期限が切れていることがあります。
いただき物のドレッシングや、レトルト食品、紅茶やコーヒーなど、自分では買わないものの食品ロスもあります。
使う調味料がわかっていれば、調味料を余らせることが少なくなりますね。
気づいたらもう消費期限?乳製品
牛乳の消費期限は、製造から3∼4日です。
牛乳は傷みやすいため、期限が短く設定されています。
賞味期限の表示がある牛乳は超高温殺菌がされているのに対して、消費期限が表示ある牛乳は低温殺菌がされています。
低温で殺菌するほど賞味期限が短く、高温で殺菌するほど賞味期限が長くなるのが特徴です。
いずれの牛乳も、開封後は10℃以下に保存のもと、2∼3日で消費することが推奨されています。
短い期限のために、牛乳が食品ロスになってしまいやすいことが分かります。
使い切りの方法が分かれば、おいしいうちに牛乳を消費することができますね。
では、余りやすい食材をどのように活用したらよいのでしょうか。
食材が余っても大丈夫!楽に消費するアイデア3選
うっかり余ってしまった食材もおいしく食べられたらうれしいですよね。
食品ロスを回避する、おすすめアイデアを3つ紹介します。
水分コントロールで、おいしい冷凍野菜に
野菜を冷凍保存できたら、長く使うことができます。
おいしく野菜を冷凍するコツは、「急速冷却」です。
氷の結晶が大きくなる前に野菜を冷凍できれば、細胞を破壊せず保存でき、おいしさを保つことができます。
次のコツを参考に、冷凍野菜を作ってみましょう。
①食品についた水分はしっかり拭き取る
②冷却効率を上げるため、平たくする。
③下ゆでや下調理の後は粗熱を取る。
④熱伝導の良いアルミのバットなどに食品を並べる。
ない場合は、ラップの上からアルミホイルで包んで冷凍する。
野菜の冷凍保存は、「適した野菜」と「適さない野菜」があるので参考にしましょう。
【冷凍に適した野菜】
キャベツやほうれん草などの葉物野菜、ブロッコリーなど。
【保存方法】
なるべく新鮮なうちに下ゆでし、小分けにして冷凍する。
色や食感を保ったまま保存でき、おいしく食べることができます。
【冷凍に適さない野菜】
レタス、トマトなど、水分たっぷりの野菜。
【改善策】
レタスは丸ごと買う代わりに、カットレタスを活用する。
トマトが残りそうになったら、加熱してトマトソースを作った後、冷凍する。
実は、きゅうりは冷凍保存可能です。
正しく保存すれば、3週間程度美味しく食べられますよ。
【きゅうりの冷凍保存】
1.水でよく洗い、ペーパーで水分をふき取る。
2.1本ずつ、アルミホイルかラップで包む。
3.冷凍用保存袋に入れ、冷凍室で保存する。
解凍したきゅうりは、薄切りは塩もみしたような状態になります。
ぶつ切りやスティック切りは、みずみずしいシャクシャクとした食感が楽しめます。
和え物やポテトサラダに便利ですよ。
【きゅうりの解凍方法】
1.流水で解凍する。
2.食べやすく切り、水気をしっかり絞る。
たくさん買った時は、新鮮なうちに洗って、冷凍用に保存してしまいましょう。
調味料は、メインメンバーを決めよう
調味料は、よく使うものを選定し、定位置を決めると無駄な購入を避けることができます。
しょうゆ、砂糖、味噌などいつも使うメインの調味料を決めると、他の調味料を買わずに済みます。
また、定位置を決めることで他の調味料が入るスペースをなくし、買う時に考える余裕を生むことができます。
我が家に必要な調味料を決めて、使い残りの調味料が出ないようにしましょう。
たまにしか使わない調味料は買わず、自分で作ることがおすすめです。
めんのつゆや、ポン酢、ドレッシングなどはすぐに使うことができ便利ですが、頻度が少ない場合は残ってしまいがちです。
メインメンバー以外の調味料を家庭で簡単に作ることができるので、ぜひ試してみて下さい。
自家製めんのつゆ
【材料:作りやすい量】
しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ2
水 3/4カップ
和風顆粒だし 小さじ1/2
【作り方】
1.しょうゆ、みりん、水、「ほんだし」を鍋に入れて中火にかけてひと煮立ちさせて冷ます。
めんのつゆは、うどんやそばの他に煮物にも使うことができます。
材料と作り方をメモしておくと、いつでも作ることができますよ。
自家製ポン酢
【材料:作りやすい量】
・かつお節 1/2袋(2g)
・みりん 大さじ1
・酢 大さじ2
・しょうゆ 大さじ2と1/2
【作り方】
1.耐熱容器に調味料を入れて混ぜ、かつお節を加えて混ぜる。
2.ラップをせずに600Wのレンジで1分ふつふつとするまで加熱し、ざるでこして冷ます。
かつお節でだしを取っている家庭におすすめの作り方です。
だしは和風顆粒だしを使っている家庭は、かつお節を「和風顆粒だし 小さじ1/2」に置き換えて作ってくださいね。
自家製和風ドレッシング
【材料:作りやすい量】
・しょうゆ 大さじ1と1/2
・ごま油 大さじ1と1/2
・酢 大さじ1
・すりゴマ 大さじ1
・砂糖 小さじ2
・みりん 小さじ1
【作り方】
1.材料をすべて器に入れ、よく混ぜる。
ドレッシングは、油の種類を変えると、風味の違いを味わうことができます。
好みの油で、自家製ドレッシングづくりを楽しんでみましょう。
牛乳は、おやつやドリンクに変身
牛乳は意外と賞味期限が短く、開けてしまうとあまり保存がききません。
牛乳の賞味期限は開封前の期限なので、開封後は劣化がはじまり、2日程度で消費することがし推奨されています。
飲みかけを見つけたら、悪くなってしまう前におやつやドリンクに変身させ、美味しく食べてしまいましょう。
材料3つで簡単牛乳プリン
【材料:100ml容器3個分】
・牛乳 300ml
・砂糖 30g
・ゼラチン 3g
【作り方】
1.牛乳と砂糖を鍋に入れ、沸騰直前の80℃程度まで温める。
2.火を止めてからゼラチンを振り入れてよく混ぜ、ゼラチンを溶かす。
3.粗熱を取って容器に注ぎ入れ、冷蔵庫で4~5時間冷やす。
牛乳プリンの液を容器にそそぐとき、濾してあげると滑らかな食感を楽しむことができます。
育ち盛りの子どもにぴったりのカルシウム満点なおやつに変身です。
もう1品、ドリンクのレシピを紹介します。
アッという間にバナナミルク
【材料:2人分】
・バナナ 2本
・牛乳 300cc
【作り方】
1.バナナは皮をむいて適当な大きさに切ります。
2.ブレンダーまたはミキサーにかけます。
バナナの甘味で、美味しい牛乳に変身します。
時間が経つと色がくすんできてしまうので、早めに飲み切ってください。
食品の期限を意識して、おいしく食べきりたいですね。
では最後に、保存する場所について理解を深めていきましょう。
冷蔵庫の部屋ごとの役割は?
食品を保存に欠かせないのが、冷蔵庫です。
せっかく買った食品や作った料理を適切に保存する場所がわかれば、傷みをおさえ安全に食べられる期間を延ばすことができます。
冷蔵庫の部屋の特徴を知って、食品ロス防止に貢献し、家計を助けましょう。
冷凍室は、冷凍野菜の保存におすすめ
冷凍室は、約-20〜-17℃に保たれています。
ホームフリージングの野菜や冷凍うどんなど、長期間保存したい食品は冷凍室に入れておきましょう。
加熱調理したおかずやご飯、スープなどは、品質の低下が少なく保存することができます。
肉や魚は、調味料で下味をつけてから冷凍保存するとおいしく食べることができます。
一方で、冷凍保存に向かない食品もあるので注意しましょう。
【冷凍に適さない食品】
・マヨネーズ
・かまぼこ
・寒天菓子
・たまご
・牛乳
これらの食品は、冷凍すると変質してしまい、食感が変わってしまいます。
改善策としては、たまごは割りほぐし卵液にしてから冷凍します。
牛乳はホワイトソースにすれば、冷凍が可能です。
いずれも、自然解凍することでおいしく食べられますよ。
冷凍室の開け閉めを控えれば、温度の上昇を防いで余計な電気代をかけずに済みますね。
冷蔵庫は、開けてしまった調味料類を
冷蔵庫の中でも一番大きいスペースが取られているのが冷蔵室です。
保存温度は約2~5℃です。
お皿や保存容器ごと入れておく食材の作り置きの他に、たまごや飲料、調味料などの保存に適しています。
冷蔵室の中では、次のように仕分けして保存すると、使いやすくなります。
【上段】
あまり頻繁に取り出さないものや長期保存できる未開封の瓶や缶類など。
【中段・下段】
毎日使うものや早く使い切りたいものなど。
中段や下段は取り出しやすい場所にあるため、残っている食材を見つけやすくなりますよ。
チルド室は、肉・魚の保存に適した環境
チルドとは、食品が凍る寸前の温度帯のことをいいます。
チルド室の保存温度は約0~3℃と冷蔵室よりも温度を低く設定されているため、鮮度を保ちたい肉、魚、たまごなどの生鮮品の保存に適しています。
チルド室は凍らないギリギリの温度をキープされ、一般の冷蔵保存よりも食品の発酵や熟成を遅らせてくれます。
鮮度が長持ちするのが特徴です。
以下のような食品はチルド室で保存しましょう。
・加工品(ハムやソーセージなど)
・練製品(かまぼこやちくわなど)
・発酵食品(納豆やみそ、ヨーグルト、チーズなど)
また、漬物が酸っぱくなるのを遅らせたり、完熟トマトの美味しい完熟状態をより長くキープさせたりする裏技もあります。
野菜室は、名前の通り「野菜のための部屋」
野菜室の温度は、約2〜5℃と冷蔵室とほぼ同じですが、密閉構造により高い湿度を保ち、鮮度が落ちやすい野菜の乾燥を防ぐ役割があります。
しかし、野菜ならなんでも入れておけばよいというわけではありません。
野菜は育つ場所や季節に近い環境で保存することが、長持ちの秘訣です。
野菜室に入れないほうが良い主な夏野菜や秋野菜は、以下を参考にしましょう。
秋野菜:じゃがいも、玉ねぎ、さつまいも、里いもなど
なすや里いもといった夏野菜や秋野菜と呼ばれる野菜も、常温の室内で保存しましょう。
原産地が熱帯地方や亜熱帯地方の野菜は、野菜室ではなく常温の室内で保存が適しています。
理由は、寒さに弱く低温障害を起こしやすいからです。
例えば、バナナを野菜室に入れると真っ黒になってしまいますが、保存温度が、10〜14℃だと傷みにくい特徴があります。
野菜に適した保存温度を知ること、長くおいしく食材を楽しむことができますよ。
まとめ
食品ロスは、期限の意識と保存方法の知恵で減らすことができます。
梅雨の季節は、湿気が多く食品が傷みやすいので、必要なものだけ購入すると安全に食材を使うことができます。
余りがちな野菜は冷凍を使い、調味料は定番のものを決めると、考える手間も、食費も減らすことができます。
また、期限が来る前に、おいしい料理に変身させ食べてしまうのも1つです。
食品ロスの軽減は、環境にやさしいだけでなく、家計にも貢献します。
食材管理を工夫して、家族が安心して過ごせるよう、アイデアを活用していきましょう。