一日の始まりにあたる、朝ごはん。
皆さんは朝ごはんを食べていますか?
大人でも子どもでも、少しでも長く寝ていたい!と、家を出るギリギリの時間まで布団の中にいるという方もいるのではないでしょうか。
また、最近では朝ごはんを食べない健康法をしている方もいるので、一体どちらがいいのかと悩んでしまいますね。
今回は、朝ごはんの役割や気をつけたい食べ方をご紹介します。
ご自身の身体の調子や生活スタイルも一緒に考えながら、読んでいただけたらと思います。
朝ごはんは、どうして大切なの?
「朝ごはんは大切」と、多くの人は聞いたことがあると思います。
1日3回ある食事の中で、どうして朝ごはんが大切なのでしょうか。
その理由は、朝ごはんの5つの役割にあります。
寝ている間に消費したエネルギーを補充する
頭がぼーっとして授業に集中できないお子さん、大人でも午前中の仕事がなんだかはかどらない、という方はいませんか?
寝ている間、脳は休みながらも活動しているため、起床時にはエネルギーが不足しています。
脳のエネルギーが不足しているということは脳が働かないため、勉強や仕事に集中することが難しくなるということです。
朝ごはんを食べることで、血糖値も上がり、脳や体のエネルギーが補充されます。
それにより、授業への集中力や仕事のパフォーマンスを高めることができるのです。
身体を目覚めさせる
朝ごはんには、身体のさまざまな器官を目覚めさせる役割があります。
脳や内臓・自律神経・ホルモン・免疫などは、寝ている間に体内の不具合をリセットして、翌日の活動に備えています。
そのため、目覚めた直後は、脳や神経などこれらの働きが低下しています。
朝ごはんを食べることで身体の内側も動き出し、活動のスイッチが入るのです。
体温を上げる
朝ごはんには、睡眠中に低下した体温を上げる働きがあります。
口の中・食道・胃・腸・肛門といった消化管も、実は筋肉でできています。
そのため、朝ごはんを食べて消化管が動き出すと熱が発生し、体温も上がります。
体温が上がることで、身体は1日の活動を始める準備を整えることができるのです。
体内リズムを整える
朝ごはんには、体内のリズムを整える働きがあります。
身体には、概日リズム(サーカディアンリズム)という機能があります。
これは、約24時間の周期で睡眠・体温・血圧・ホルモン分泌などの変化をつかさどっている機能です。
光と関係があり、太陽が上っている間は活動的に、沈んだら休息するよう働きかけています。
朝ごはんを食べることで1日の体内リズムがスタートし、 毎日決まった時間に朝ごはんを食べることで体のリズムが整い疲れにくくなるのです。
朝ごはんを食べると腸も刺激され、排便リズムも整うのです!
生活リズムも整う
体内リズムを整えることは、生活のリズムを整えることにもつながります。
体内リズムと生活リズムにズレがあることは、身体にとって大きなストレスになります。
ストレスがかかると、日中にしっかり動けなくなったり、感情が不安定になることもあります。
朝ごはんを食べることで、体内リズムと生活リズムのズレをなくすことができます。
朝ごはんを食べるためには、夕食の量や内容・寝る時間など、前日の生活も変えていく必要があるため、生活のリズムを整えることにつながるのです。
朝ごはんは、栄養を補給するためだけではなく、身体の機能が目覚めるためにも大切です。
身体がしっかり目覚めることで、私たちは一日を過ごすことができます。
どんな朝ごはんを食べたらいいの?
朝ごはんには、どのようなものを食べればいいのでしょうか。
朝ごはんに大切な3つのポイントをお伝えします。
炭水化物
脳の栄養になる「ブドウ糖」は、ご飯やパン、麺類などに含まれる炭水化物が分解されてできます。
炭水化物は、集中力を上げるためには欠かせない栄養素です。
朝から食欲がないという場合、ごはんをおにぎりやおかゆにすると食べやすくなります。
また、甘い菓子パンは、砂糖や脂質の摂りすぎになるので気をつけましょう。
たんぱく質
たんぱく質は、肉・魚・大豆・卵などに多く含まれています。
たんぱく質は、体内時計をリセットする働きや、栄養素を身体に運ぶ働きがあります。
また、体温を上げて代謝を高めます。
朝ごはんには、納豆、ツナ、卵、乳製品が便利です。
私は、朝ごはんに卵を入れたみそ汁を飲むときがありますが、いつものみそ汁よりも更に身体が温まるのを感じます。
納豆ごはん、チーズトーストなど、ごはんやパン、他の食材と合わせるようにすると取り入れやすくなります。
ビタミン・ミネラル
炭水化物やたんぱく質を単体で摂取しても、それだけでは身体の中でうまくエネルギーに変えることができません。
それを手伝ってくれるのが、野菜や果物に含まれているビタミンです。
また、海藻に多く含まれるミネラルも、身体の機能がうまく働く手伝いをしてくれます。
朝ごはんでは、おにぎりには海苔を巻く、野菜や海藻を入れた汁物をつける、パンに野菜を挟むなどの方法があります。
慌ただしい朝の時間は、パンだけ、牛乳だけ…というように、栄養素が偏ってしまうことが多いですね。
しかし、炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどをバランスよく取り入れることで、大切な栄養素を効率よく身体に取り入れることができます。
それにより、脳も身体の機能もしっかりと働き始めることができます。
朝ごはんは、これにも気をつけて!
朝ごはんは、「気をつけたい食べ物」や「食べ方」もあります。
栄養素ばかりを気にしていると、身体に負担をかけてしまう場合もあるので、注意しましょう。
冷たいもの
胃腸は冷えると弱ります。
気温の寒さだけではなく、冷たいものを食べることも胃腸に負担がかかります。
また、朝の身体は一日の活動のために、これから体温を上げていこうとしています。
そこに冷たいものが入ってくると体内が冷えてしまい、しっかり働くことができなくなってしまいます。
反対に、胃は温かくすると働きが良くなるため、朝ごはんは温かいものを摂ることをおすすめします。
牛乳、ヨーグルト、果物など、冷蔵庫で保管しているものを食べる時は、食べる分だけ早めに出したり、温めるとよいでしょう。
飲むだけ、噛まないもの
ゼリータイプの飲料や、スムージーなど飲むだけなど、噛まないものを朝食にする方もいますね。
手軽さや健康や美容・食欲はないけどこれなら飲めるなど、理由はさまざまだと思います。
しかし、これにもデメリットがあります。
<飲むだけ・噛まない朝食のデメリット>
①栄養の偏り
②噛まずに飲み込んでしまう
③胃腸の消化能力が落ちる
野菜と果物を組み合わせて作るスムージーの場合、重さのほとんどは果物です。
そのため栄養素は炭水化物がほとんどで、たんぱく質などが不足してしまいます。
また、ただ栄養をとるだけでなく食べ物を噛むことで、脳が活発に働き始めます。
脳がしっかりと働くためにも、固形のものも組み合わせましょう。
ゼリー飲料やスムージーなどは、流動食のようなもので、消化機能をほとんど必要としません。
そんな朝食ばかり食べていると唾液の分泌も低下し、胃や腸の消化管も使わないため衰えてしまうことにつながります。
朝食の役割は栄養をとるだけではありません。
朝からしっかり噛んで食べられる朝食を食べて、体の働きも引き出しましょう。
コーヒー
朝にコーヒーを飲む習慣がある方も多いと思います。
カフェインの効果で、頭も気持ちもシャキッとしますね。
しかし、朝起きてすぐのカフェインはコルチゾールというホルモンの分泌に影響を与えてしまいます。
コルチゾールは、目覚める1~2時間前から直後にかけて、体内での分泌が増えます。
このホルモンによって血糖値や血圧が上がり、脳も目覚めます。
朝起きてすぐにコーヒーを飲みカフェインを摂取することで、コルチゾールの分泌が減ってしまうのです。
その結果、今までよりも多くのカフェインを欲するようになってしまいます。
コーヒーを飲むのであれば、9時~11時頃がおすすめです。
朝ごはんにはみそ汁がおすすめ!
年齢に関係なく、しっかり朝ごはんを食べたい人にも、簡単なものですませたい人にもおすすめなのが「みそ汁」です。
ここでは、朝ごはんにみそ汁がおすすめの理由などについて、お伝えしていきます。
みそ汁が朝ごはんに向いている理由
みそ汁は朝の身体にとって、大切な働きがたくさんあります。
<みそ汁が朝ごはんに向いている理由>
①体を温める
②寝ている間に汗で失われた水分や塩分、ミネラルの補給
③たんぱく質、ビタミンも一緒に摂ることができる
このように、みそ汁は1品でも朝ごはんに必要な条件がしっかり整った料理なのです。
簡単にみそ汁を取り入れる方法
みそ汁は作り方によって、簡単に済ませたり手を込んでみたり、いろいろな方法で取り入れることができます。
<なんとか朝に調理ができる人>
・材料は、前日に切ったり、用意しておく
(豆腐や野菜、わかめなど、たんぱく質やビタミン、ミネラルが摂れるもの。ゆで野菜でもよい)
<できる限り、簡易的にしたい人>
①前日の夕飯にみそ汁を作る。残りを朝温めて飲む。
②味噌とカットわかめ、動物性たんぱく質のかつお節や煮干しなどをマグカップに入れる。マグカップにお湯を注いで味噌を溶かす。
③時には、レトルト品を利用する
みそ汁の作り方や食べ方は、それぞれの人の生活に合わせて変えることができます。
ご自分に合ったおみそ汁の食べ方を見つけてみましょう。
おにぎりとみそ汁はベストコンビ!
おにぎりとみそ汁の組み合わせは、美味しさも栄養バランスも最強の組み合わせです。
その理由は、みそ汁は米に足りない栄養素を補ってくれるからです。
筋肉、肌、髪の毛など身体をつくるために必要なたんぱく質は、アミノ酸で構成されています。
その中の必須アミノ酸9種類は、体内で作る事ができないため、食事から摂取しなければいけません。
米には、9種類の必須アミノ酸のうち8種類は含まれていますが、「リジン」だけは含有量が少ないのです。
そして、そのリジンを多く含むのが大豆であり、大豆から作られる味噌なんです。
野菜を入れたみそ汁とおにぎりの組み合わせで、栄養バランスがよい朝ごはんにすることができます。
おにぎりは前日の夕飯時にご飯を多めに炊き、夜のうちにおにぎりにしておくと、朝ごはんが楽に用意できますよ。
まとめ
眠かったり、慌ただしかったりで、ゆっくりと食べることが難しい朝ごはんですが、一日を元気に過ごすための役割がたくさんある大切な食事です。
朝ごはんをきちんと食べることで、勉強、運動、仕事など日中の活動を充実させることができます。
自分の生活や体調を見ながら、少しずつ取り入れてみてくださいね。