栄養士で働く場合、転職回数が多いと仕事はみつからないのでしょうか?
結論から言うと、栄養士は、何回転職しても仕事をみつけることができます。
あなたの働いていた職場は、辛すぎて体調を崩すほど大変な職場だったかもしれません。
しかし、辛い経験は、転職の武器にすることができます。
私自身も、はじめに就職した会社を1年程で辞め、条件のよい他の給食会社に転職した経験があります。
それは、管理栄養士の資格を取るのに必要な実務経験を積むためでした。
何度も転職を経験しましたが、仕事探しに困ることはありませんでした。
管理栄養士の資格を取得してからは、行政の仕事を経験することも出来ました。
新卒の頃、『栄養士は、居心地のよい職場がみつかるまで、何度でも転職したらいい』と先輩に教わったことがありました。
当時は半信半疑でしたが、20年以上経った今では「先輩からの言葉」は本当だったと実感しています。
栄養士の転職回数の多さを武器にする方法
転職回数は、栄養士経験の多さと考えて転職の武器にしていきましょう。
こんなに転職を繰り返していたら、理想の仕事に就くことはできないのではないかと落ち込んでしまうかもしれません。
しかし、栄養士として納得のいく仕事に就きたいと思うなら、落ち込んでいる場合ではありません。
栄養士の転職回数は、気にせず前向きにチャレンジすることが成功の秘訣です。
転職回数は気にせず、経験を伝えることが大切
転職回数の多さは、「栄養士の経験多い」・「スキルアップしている」と言い換えることができます。
つまり、アピールの仕方次第では「転職の武器」にすることが可能だということです。
具体的には、この3点を踏まえて伝えていくとプラスの表現に変えることができます。
・どんな経験を積んだか
・広い経験から得られたものはなにか
・今後、どんなチャレンジをしたいか
栄養士の仕事は、栄養の知識だけでなく、コミュニケーションや計画性、事務作業などさまざまな能力が必要です。
転職経験のない栄養士が、高いスキルを身に着けているとも限りません。
短期間に複数の場所で色々な仕事内容を経験したほうが、スキルが高くなることもある為、自分の経験をプラスに繋げていくことが大切です。
現場経験のない場合は、事務作業やパソコンスキル・一般常識のスキルのアピールになります。
私は、短大卒業後3年の間に2ケ所の給食会社で働き、病院や高齢者施設など4箇所の給食管理を経験しました。
その他、オープニングの応援要員として、3箇所の病院で厨房作業を経験することができました。
事務作業やパソコン操作・電話対応は経験がありませんでしたが、食品関係の会社だったので、栄養士の経験が役に立ち、一般企業の事務職に転職することに成功しました。
自分が栄養士として経験したスキルを伝えるには?
栄養士のように専門的な職業は、自分が経験したことを箇条書きにして書き出します。
書き出すことで、専門的でわかりにくい栄養士の仕事内容を伝えやすくし、自分自身のスキルに自信をもつことが出来ます。
専門的な内容を細かく採用担当者に説明しても伝わりにくいので、その経験から何が得られたのかを伝えることが大切です。
【表現の例】
・給食管理全般を一人でこなせるようになった
・自分よりも年上の人に指示をして、業務を進めていけるようになった
・栄養指導の件数を増やすことができた
上記の内容を見つけ出すために、どんな細かなことでも文字にして書いてみます。
・病院や施設であれば、給食管理(食数管理・配膳チェック・衛生管理・食材発注・検品・献立作成・現場指示書作成・タイムスケジュール作成・シフト表作成など)や栄養指導○件。
・規模の大きい病院であれば○○床の献立作成・発注業務。
・調理に携わっていれば○○食を調理していた。
・盛り付け業務では、○○食を○人で行っていた。
その他、イベント食を作ったり、通常業務の他携わったことがあればその内容も具体的に書き出します。
特に、イベントなど通常業務ではない活動は、計画力・指示力・実践力のアピールに繋がります。
細かく書き出すことによって、毎日、どんな作業をしてきたのかを振り返ることが出来ます。
自分がどんな事を経験したのか振り返りながら、自信を取り戻すことも必要です。
「栄養士の実務経験を積むために給食会社に就職したけれど、思っていた仕事と違うし、同年代の相談相手も仕事を教えてくれる人もいない。」
「仕事を教えてくれる先輩もいないし、ベテランの調理師やパートに怒られてばかり…。」
ずっと、抱えていたマイナスの気持ちを前向きな気持ちに切り替えるために、書き出すことは役立ちます。
自分では、あたり前の作業でも、客観的にみるとすばらしいと評価できることがあります。
誰にも相談できず、悩むばかりで怒られた辛い記憶ではなく、成長した自分を客観的にみることができるようになります。
転職理由のまとめ方
転職の際の面接マニュアルには、前職の辞めた理由を前向きに答えるようにと記載されているかと思います。
「実際に働いてみると仕事内容が思っていたのと全然違うし、土日祝日も全部仕事でプライベートな時間が取れなかった…。」
「仕事を探すときに、辞めた理由を聞かれたら、どう答えればいいのかわからない。」
そんな、転職理由のまとめ方をお伝えします。
栄養士の転職理由の伝え方
転職理由について聞かれた場合は、ポジテイブな表現で伝えることが大切です。
その反面、転職する理由や自分の気持ちを正直に話すことも必要です。
なぜなら、採用されるだけを目的にして自分の想いや希望を偽ると、職場とのミスマッチを繰り返してしまうからです。
面接は、採用側も受ける側もお互いに相手をみる機会でもあるので、働き続けたいと思えるような職場環境をみつけることも大切です。
仕事に行き詰った時に、サポートしてもらえる環境なのか、職員の教育に力を注いでいる職場なのかを見極めることも必要だからです。
例えば、周りに相談出来る環境がなかった為に、仕事に行き詰ってしまい退職したのなら、栄養士が大勢いて、先輩に教わりながら働くことのできる環境を望んでいると言い換えられます。
小規模から大規模の職場へ移る場合、このように伝えるとよいと思います。
栄養士は、一人職場で責任者も任され、時間外の仕事や持ち帰り仕事も多いのが現状です。
残業が多く、土日祝日の休みをまったく取ることが出来なかった場合は、勉強会に参加してスキルアップをしたいので、
土日祝日の休日がとれる定時の仕事に就きたいと言い換えられます。
このようにポジティブに変換することで、採用側によい印象を与えることができます。
自分の努力不足が、退職の原因ではないと思ってもらうことが大切です。
栄養士の転職先
栄養士の転職先は、医療機関・施設・学校など、多岐にわたります。
・病院・・・バランスのよい食事を提供し、栄養指導なども行い、病気の回復を
サポートします。
・高齢者施設・障がい者施設・・・季節感を感じてもらうために行事食を提供したり、
食事を通して喜びを感じてもらうことも多くなります。
食事をとりづらい方に食べやすい食事を提供するなど、
栄養士の役割は、大変大きなものとなっています。
・保育園・学校など・・・栄養管理に加えて、「食育」が大変重要になります。
食べることは、生きることであると伝える使命を担っています。
・食品関係・・・食の知識や経験を活かすことができます。
・食品メーカー・・・食品の開発を行う研究職などもあります。
・スポーツ関係・・・スポーツ選手の食事管理を行い、よい成績に繋がるよう
サポートします。
このように栄養士は、幅広い分野で必要とされる職種なので求人数も少なくありません。
実務経験を積み、栄養士の仕事を重ねることで納得のいく仕事に就く可能性も高まります。
栄養士は、食を通じて多くの人の健康維持に貢献することができます。
なぜ栄養士になりたいと思ったのか、自分が栄養士としてどのようになっていきたいのかを確認しながら転職先を決めていくことも必要です。
まとめ
栄養士の転職は、スキルアップしたいと思っていれば不利にはなりません。
何度でも、自分のやりたいことに近づくために、チャレンジが可能です。
前職よりもどんな経験が増えたか、何が得意になったかを振り返りながら、自分のやりたいことや身につけたいことを考える機会にもなります。
一般的には、転職回数が多いと良くないイメージがあります。
実際に、短大時代の友人は、一般企業に就職し、継続して同じ会社で働き続けています。
家族や周りの人に転職回数が多いと何か言われたり気にしてしまいますが、転職回数の多さも経験として活かすことが出来るので、堂々としていて大丈夫です。
経験年数が少ない場合は、毎日コツコツと努力し続けたことをアピールすることができます。(自分よりも年上の調理師やパートに仕事を習い、コミュニケーションをはかることに努力した。早めに出勤し、調理作業を覚える努力をしたなど)
何よりも自分が栄養士として働きたいという気持ちがあれば、働き続けることができる職業です。