正月が終わり、1月15日ごろは小正月です。
小正月は、「小豆(あずき)」を食べる習慣があり、古来より邪気を払ってきました。
小豆は、豆のなかでも調理しやすいので、行事に取り入れやすい日本の食材のひとつです。
そこで今回は、小正月にぴったりのお手軽レシピと、小豆の栄養成分についてご紹介します。
作って実感!お手軽小豆レシピ2品
小豆は、浸漬の必要なく作ることができる豆類です。
すぐに作れる、小正月にぴったりのレシピを2つみていきましょう。
鮮やかな赤色の「小豆茶」
小豆茶とは、小豆を煮たときの煮汁をいいます。
ただ煮汁を飲むよりも、一度小豆を炒ってから煮ると香りが引き立つのでおすすめです。
火が強すぎると、水分が飛んでいってしまうので、火加減を調整すると安心です。
できあがったら冷蔵庫で保存し、2~3日で飲み切りましょう。
あずき茶はノンカフェインのため、小さなお子さんや妊婦さんでも安心して飲むことができますよ。
次に、小豆茶で煮た豆を使った一品を紹介します。
甘味が新鮮「小豆粥」
小豆粥は、小正月の朝に、やわらかく煮た小豆をお餅と一緒に白粥の中に入れた料理です。
今回は、電子レンジを使用したレシピのため、1人前から簡単に作ることができますよ。
餅を入れる場合は、別で加熱してから加えてくださいね。
甘いお赤飯のような味わいの小豆粥は、お汁粉とはまた違った味わいです。
年末年始、おいしいものをたくさん食べた胃腸に優しい一品ですよ。
保存はあまりきかないので、できるだけ早めに食べきりましょう。
小豆粥だけ作る場合は、下記のレシピで小豆を煮ることができます。
材料
・小豆
・水(小豆の重量の20倍)
作り方
1.鍋を中火にかけて、沸いてきたら火を弱める。20分ことことと小豆を煮る。
2.20分経ったら、火から外して、蓋をして30分置いておく。余熱でじっくり小豆に火を通す。
様々な小豆料理がありますが、小正月とはどのような関係があるのでしょうか。
小正月と小豆の関係
正月に比べ、馴染みのない小正月ですが、古くから家族を守る風習として扱われてきました。
ぜんざいやおしるこ、団子など、形は異なっても全国でお正月の後に小豆が食されています。
小正月と小豆には、どのような関係があるのでしょうか。
小正月の行事と飾り
元旦が、神様を迎える儀式とすると、小正月は家内安全や無病息災(むびょうそくさい)を目的とすることが多いです。
正月の飾りをおさめ、新年のスタートを切る切り替えの時期とも言えます。
めでたい行事の象徴の1つとして、小豆が用いられています。
小豆の赤は、魔除けの色
魔除けの象徴とされる赤色の小豆が、縁起の良い食材として用いられている由来は諸説あります。
祝いの席の料理に小豆が使われるのは、小豆の赤色に悪いものを払う力があると信じられていることが発端と言われています。
では小豆は、健康にどのような貢献をしているのでしょうか。
家族を守る、小豆の栄養成分
小豆の赤色が魔除けになることはもちろんのこと、小豆の豊富な栄養成分が無病息災につながっています。
どのような成分が、体に役立つのでしょうか。
健康な体作りに「タンパク質」
タンパク質は、骨や肉、髪などを作ります。
健康な体作りの基本として、大事な栄養素です。
実は、大豆など他の豆類に比べてタンパク質量は少ない小豆ですが、優れたアミノ酸組成を持っています。
タンパク質を効率よく吸収するには、アミノ酸が整っていることが必須です。
優れたアミノ酸組成とは?
タンパク質は20種類のアミノ酸から構成される。
その内の9種類は人間の身体では合成されないため、食べ物から取る必要がある。
必須アミノ酸と呼び、食材に含まれるバランスの良さを、100を最高値として評価した値をアミノ酸スコアという。
一般的に植物性のタンパク質のアミノ酸スコアは低いが、小豆は82と高い。
つまり、アミノ酸スコアが高い小豆は、良質なタンパク質を持っているということです。
病気の予防に「サポニン」
小豆の皮には、渋みのもとであるサポニンという成分が含まれています。
サポニンには、強い抗酸化作用があるため、脂肪の酸化を抑制することができます。
すると、コレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血糖値の上昇を抑え血液の流れを良くします。
この働きから、動脈硬化や脳梗塞などの生活習慣病の予防に役立ちます。
美肌の味方「ポリフェノール」
サポニンと同様小豆の皮に含まれ、強い抗酸化作用を持つポリフェノールは、小豆の色に由来します。
抗酸化作用は、脂肪だけでなく細胞にも働きかけます。
老化を防ぐことができるため、肌や髪の毛の美しさを保つために働いてくれます。
お通じ改善に「食物繊維・オリゴ糖」
小豆に含まれる食物繊維は小腸で分解されずに大腸まで届き、便の量・水分を増やし、便が腸内にとどまる時間を短くしてくれます。
また、小豆にはオリゴ糖も多く含まれ、腸内の悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やします。
腸内環境を整えるためにも、小豆は役立つというわけです。
まとめ
小正月は、小豆を食べて魔除けや無病息災を願う行事です。
小豆は、赤色が魔除けの意味をもちます。
また、小豆の栄養成分が家族の健康を守ります。
小豆に含まれるサポニンやポリフェノール、食物繊維、タンパク質が健康で美しい体作りに役立ちます。
小正月には小豆茶や小豆粥を取り入れて、好発進できるといいですね。