節分で豆まきに使われる「大豆」には、イソフラボンが豊富に含まれています。
女性ホルモンに似た作用をもち、女性特有の症状の改善や美容に役立つので、女性の強い味方です。
今回は、大豆がもつ作用や美しさに役立つ工夫と理由をご紹介します。
大豆のイソフラボンは、女性の味方
イソフラボンとは、大豆、特に大豆の胚芽に多く含まれるフラボノイドの一種です。
フラボノイドとは?
植物の根、茎、葉、花、種子など、様々な器官に含まれる二次代謝産物の一種です。
二次代謝産物とは、生命活動の維持に必ずしも必要ではない物質だが、植物が生き抜くために必要。
女性ホルモンの一つであるエストロゲンと非常によく似た構造をしており、エストロゲンと同じような働きをすることで注目されています。
どのような働きが、女性の健康維持や美しさに繋がっているのでしょうか。
骨粗しょう症を予防する
骨粗鬆症は、閉経後に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が不足することから起こりやすくなります。
女性の生涯における骨量の変化は、成長期に増加して30歳頃にピークを迎え、その後は低下します。
エストロゲンは、古い骨を溶かし新しい骨をつくるバランスを保ちますが、ホルモンが減少すると骨からカルシウムが溶け出してしましいます。
イソフラボンをとればエストロゲンが減少しても、骨からのカルシウムの溶出を防ぎ、骨の密度を保ので骨粗鬆症の予防や改善につながるのです。
更年期障害の症状を抑える
イソフラボンは、更年期障害の様々な症状(めまい、ほてり、動悸など)を軽減します。
「更年期」とは、閉経の時期を挟んだ前後の10年間ほどの期間のことをいいます。
個人差がありますが、50歳前後から月経の周期が不規則になり、閉経を迎える人が多くなります。
更年期になると、卵巣の機能が低下します。
卵巣から分泌されるエストロゲンは、卵巣の機能低下に伴い分泌が急激に減少し、精神的にも身体的にも様々な変化が現れるのです。
イソフラボンを摂取することにより、不足した女性ホルモンの働きを補うので、これらの更年期障害の症状の緩和に役立ちます。
美肌作りに活躍
イソフラボンのエストロゲン様作用と、抗酸化作用が美肌作りに役立ちます。
エストロゲンは、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促し、肌を滑らかに美しく保ちます。
エストロゲン不足を補うことで、美肌効果が復帰するのです。
また、イソフラボンがもつ抗酸化作用は、紫外線やストレスから守ってくれます。
体内に発生する活性酸素が肌の細胞を攻撃すると、コラーゲンが酸化・分解され、みずみずしさやハリが失われてしまいます。
しかし、イソフラボンの持つ抗酸化作用がこのコラーゲンの分解を抑制することで、美肌が守られるというわけです。
血液さらさら、血流促進
イソフラボンには、赤血球の粘度を抑制して血液をサラサラにする働きがあります。
イソフラボンは血小板の凝集を抑制する働きがあり、赤血球が重なったコインの ようにつながる連銭の形成を改善します。
血行が良くなり、末端血管まで血液が行き渡るようになると、体に良い影響を与えてくれます。
【イソフラボンの血流促進による変化】
・冷え性改善
・月経緩和
・動脈硬化予防
・高血圧予防
イソフラボンは、女性に嬉しい働きをたくさん持っています。
さらに美しく過ごすために、工夫できることがあるので見ていきましょう。
イソフラボン×カルシウムで骨太に変身
イソフラボンは、カルシウムと共に摂取することで、骨を強く変化させます。
骨格が整えば、美しく見える姿勢を作り、さらに美に磨きをかけることができます。
どのように骨は作られ、強い骨や美しい骨格に変化できるのでしょうか。
カルシウムとは?
カルシウムは、体に最も多く含まれるミネラルで、主に骨や歯を作ります。
多くが骨や歯に存在し、ごく一部は血液・筋肉・心臓に存在します。
生きていくために欠かせないミネラルであるカルシウムは、不足することのないよう普段は骨に貯蔵され、必要に応じて供給されます。
もし貯蔵しているカルシウムより供給するカルシウムが増えると、骨を溶かすことになります。
よって、健康な骨づくりには、溶けだしたカルシウムを補給し、代謝を促すことが重要です。
骨の新陳代謝を上げるカルシウム
骨は古くなって劣化してくると、メンテナンスされ新しい骨に生まれ変わります。
これは、骨の新陳代謝と呼ばれ、骨の健康の維持に重要です。
健康な骨では、骨吸収と骨形成のバランスが釣り合っています。
ところが女性ホルモンが減少すると骨吸収が進み、骨がスカスカになってしまいます。
カルシウムは、骨吸収で失われた分を補給し骨形成を進め、両者のバランスをとるため重要な栄養素なのです。
カルシウムを多く含む食材
カルシウムは、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、野菜類や海藻などに多く含まれます。
【カルシウムが多くとれる食品】
食品群 | 食品名 | 摂取量 | カルシウム含有量 |
牛乳・乳製品 | 牛乳 | コップ1杯(200g) | 220mg |
ヨーグルト | 1パック(100g) | 120mg | |
プロセスチーズ | 1切れ(20g) | 126mg | |
野菜類 | 小松菜 | 1/4束(70g) | 119mg |
菜の花 | 1/4束(50g) | 80mg | |
水菜 | 1/4束(50g) | 105mg | |
切り干し大根 | 煮物1食分(15g) | 81mg | |
海藻 | ひじき | 煮物1食分(10g) | 140mg |
小魚 | さくらえび(素干し) | 大さじ1杯(5g) | 100mg |
ししゃも | 3尾(45g) | 149mg | |
豆類 | 木綿豆腐 | 約1/2丁(150g) | 180mg |
納豆 | 1パック(50g) | 45mg | |
厚揚げ | 1/2枚(100g) | 240mg |
様々な食材と共にカルシウムをとり、バランスよく食べましょう。
目安となる摂取量は、以下の通りです。
カルシウムの推奨量(成人1人1日当たり)
男性:700mgから800mg
女性:650mg
(日本人の食事摂取基準より引用)
さらに、ビタミンDを含む食材を一緒に食べ、運動を取り入れるとカルシウムの吸収率があがり、骨の強化に役立ちますよ。
最後に、イソフラボンとカルシウムと一緒に食べられる、おすすめのレシピを紹介します。
骨太大豆レシピ2品
一品でイソフラボンとカルシウムを摂取でき、手軽に作ることができるレシピです。
節分豆が残ってしまったときに、活用のチャンスですよ。
青のりパリポリ豆
おやつやおつまみ感覚で、ぱくぱく食べられるレシピです。
青のりは、カルシウムと鉄分が豊富に含まれ、様々な料理に振りかけて食べられます。
よく似た食材に「アオサ」がありますが、青のりの方が風味も栄養価も高い食材です。
節分豆以外にも、ごはんやパンなどにも合いますよ。
サクラエビと大豆の混ぜ寿司
サクラエビのピンク色と、大根の葉の緑がきれいな一品です。
豊富な栄養素を含むサクラエビは特にカルシウムが優秀で、牛乳の約6倍含まれています。
また、大根の葉にも豊富なカルシウムが含まれ、ほうれん草の5倍摂ることができます。
イソフラボンとカルシウムを一緒に体に取り入れれば、見た目も体も美しくなれますよ。
まとめ
節分で豆まきに使われることの多い大豆には、イソフラボンが豊富に含まれます。
イソフラボンは、女性ホルモンのように働くことから、女性の生き生きとした生活に大切な栄養素です。
カルシウムをイソフラボンと一緒に摂ると、骨の形成と保護の両方が叶います。
女性ホルモンと共に弱くなりがちな骨を強くすれば、若々しく過ごすことができます。
大豆はそのままたべるよりも、カルシウムを補って料理し、効果的に栄養をとっていきたいですね。