女性は新しい家族が増えると、食事のことに関心が高まる方も多いです。
「家庭での経験を活かしたい」
「未来に向けて子育て中に勉強して備えたい」
と考えたとき、思い浮かぶのが「資格」ではないでしょうか?
食の資格の中でも認知度の高い、栄養士資格。
「主婦でも取得できるの?」と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
今回は、栄養士の資格取得の条件について見ていきましょう。
主婦が栄養士資格を取得するための3つの条件
栄養士の資格を取得するためには、大きく3つの条件があります。
栄養士の養成校に通う
栄養士になるためには高校を卒業した上で、指定の養成学校に通う必要があります。
必要な課程を履修し、卒業すると免許を取得することができます。
独学はもちろんのこと、夜間や通信教育ではなく、全日制(昼間に教えることを原則とする課程)に通学する必要があります。
子どもの預け先や家事の分担を確保する
お子さんがいる場合には、子どもの預け先の確保も必要です。
授業に出席する時間だけでなく、実習への参加も必要になります。
普段自分が担っている、家事育児を分担できる環境づくりも必要になってきます。
学費の準備
養成学校に通って勉強するため、授業料などの学費の準備も必要です。
学校には大きく分けて、大学、短大、専門学校があります。それぞれの平均的な学費は、このようになっています。
平均的な学費
・2年制(私立短大、専門学校):200~300万円
・3年制(私立短大、専門学校):300~400万円
・4年制(私立大学、専門学校):350~500万円
※国公立大学であれば、私立大学の2/3程度の学費
社会人向けの学費を支援してくれる学校もありますので、説明会などに参加してみると良いでしょう。
各養成学校のメリット・デメリット
栄養士の養成校でも、学校によって学ぶ内容や就職のしやすさに違いがあります。
大学・短大・専門学校それぞれのメリット・デメリットと一緒にご紹介します。
大学(4年制)
4年制の大学は、学ぶ内容や就職先の幅が1番広がる養成校といえます。
<メリット>
- 栄養士になるための専門的な知識や技術を幅広く学べ、それに加え一般教養や語学も多く学ぶことができる
- 管理栄養士養成課程であれば、卒業と同時に国家試験の受験資格が取得できるので、管理栄養士の合格率も高く、管理栄養士を目指す方には近道である
- 食品メーカーなどの開発・研究や、栄養教諭、行政栄養士などを目指したい人に適している
- 就職先の幅が広がりやすい
<デメリット>
- 学費が高く、費やす時間が長い
- 短大・専門学校に比べると、学校の選択肢が少ない
短大(2年 or 3年制)
短大は、「通学期間や学費を押さえたい!」・「早く現場でに実務経験を積みたい!」という人に向いています。
メリット・デメリットには、こんな点があります。
<メリット>
- 栄養士になるための知識や技術に加え、一般教養も多く学べる
- 2年制は栄養士資格を取得できる最短コース
- 学費を抑えられる
<デメリット>
- 大学に比べ、就職先の選択肢が狭くなる
- 栄養士免許を取得後に管理栄養士を目指すのであれば、実務経験(2~3年)が必要になる。
- 仕事と受験勉強の両立が必要になるので、合格率も低い傾向にある。
専門学校(2年~4年制)
専門学校は、より実践的な内容を学びたいひとに向いています。
専門学校で学ぶメリット・デメリットは、こんな点が挙げられます。
<メリット>
- 各学校によりカリキュラムや実習内容、設備が異なってきますが、実践的な知識と技術が学べる
- 2年制は栄養士として早く働きたい人には最短ルートになる
- 4年制は、「管理栄養士養成課程」が設置されている学校がある
<デメリット>
- 一般教養や語学を学ぶ授業が大学・短大と比べて少ない
- 2年制・3年制は、4年制の学校に比べて就職先の選択肢が狭くなる
- 2~4年制(管理栄養士養成施設以外)の場合、栄養士免許を取得後に管理栄養士を目指すのであれば、実務経験(1~3年)が必要となる。
- 働きながらの受験勉強となるので、合格率も低い傾向にある。
自分の希望や条件に合う学び方を、考えたいですね。
主婦が取得しやすい食関連の資格もある
主婦や子育て中だと、「時間や金銭的な条件もあってなかなか学校に通えない…」とお悩みの方が多いのではないでしょうか。
食や栄養に関連する資格は、栄養士や管理栄養士だけではありません!
通信教育で取得できる資格も、数多くあります。
その中から、今注目されている資格をいくつかご紹介します。
通信教育で取得できる食や栄養に関連する資格
・幼児食インストラクター・・・幼児食の栄養バランスや、食物アレルギーについての基礎知識を学ぶことができます。
・介護食アドバイザー・・・高齢者に食事を作るときのポイントや、食事介助するときの
コツなどを学ぶことができます。
・野菜ソムリエ・・・野菜や果物の目利き・栄養・素材に合わせた調理法など、幅広い知識を習得することができます。
・薬膳コーディネーター・・・中医学に基づいた食事について、学ぶことができます。
・ナチュラルフード・コーディネーター・・・オーガニック野菜や無添加食品などの自然食材・農薬の問題について学ぶことができます。
自分の知識を高めて、家族や多くの人のために貢献したいと考ている方にはおすすめの資格です。
誰のために何を学び、どのように活かしていきたいかを考えて選択していきたいですね。
まとめ
女性は、結婚出産などでライフスタイルの変化が起こりがちです。
日常生活でやらなければならないことが多く、生活環境もそれぞれ異なります。
家事育児の合間で主婦が栄養士資格を取得するのは、決して平坦な道ではありません。
でも、それでもチャレンジしたい!という強い思いと条件クリア(通学・学費・環境)が整えば、いつから始めても遅くはないと思います。
「食」は、生きることに欠かせないことです。
料理や食に役立つ勉強は、実生活にも活用しやすく、家族をはじめ自分以外の健康にも貢献することができます。
条件的に栄養士の資格取得が難しい場合は、自分の目的に合わせて民間資格の取得と実務経験の組み合わせで活躍することもできますよ。