何気ない日常でふと子どもたちの成長を感じて、将来に想いをはせる瞬間はありませんか?
子どもたちが社会人として何かにぶち当たった時、慣れ親しんだ家庭の味がほっとできるきっかけになるのではないでしょうか。
いつかは親元を離れていく子どもたちに、
「我が子に、家庭の味を伝えたい。」
「子どもたちに正しく食事を選べる力をつけてほしい」
と、考えるのも親心ですよね。
実は、生まれてから10年の味の記憶が大人になってから味を選ぶ基準に影響すると言われています。
今回は、安心できる家庭料理の特徴と人気メニューをご紹介します。
家庭料理は、家族のほっとする味
家庭料理は各家庭や地域によって差がありますが、共通しているものがあります。
日本の文化ともいえる、『出汁』を使っていることです。
『出汁』に含まれる「うま味」・「ほのかな甘味」・「塩味」と素材のうま味が、「いい塩梅(良い加減)」になると、美味しく感じるのではないでしょうか。
家庭料理でもなじみの深いお味噌汁や煮物にも、出汁が使われています。
和風の味付けにほっとするのは、小さいころに食べた味の記憶も基となっているのです。
出汁と合わせて、「一汁三菜」の和食の形やいろいろな味を楽しむことも伝えていきたいものです。
だしについては、こちらの記事もどうぞ。
家庭料理をバランスよくする一汁三菜
出汁文化の日本食では煮物や味噌汁が好まれますが、それだけではバランスよく食事を作ることはできません。
その時意識するのが、「一汁三菜」です。
一汁三菜とは、「ごはん」「汁物一品」「菜(おかず)三品」がそろった和食の基本の形のことです。
三品にはこだわらなくても良いですが、意識して献立をたてることで栄養バランスが整いやすくなります。
三菜の基本の形は、
- 主菜となるおかず
- 温かい副菜
- 冷たい副菜
になります。
主菜でタンパク質や脂質、副菜でビタミン・ミネラルが補え、バランスよく栄養が摂取できます。
また味付けでも、甘味・酸味・苦味・辛味・塩味などを意識すると味に広がりができます。
日本人のソウルフード お味噌汁
家庭料理の定番といえば、日本人のソウルフードとも言えるお味噌汁です。
だし汁と野菜のうま味・味噌の甘味と塩味が絶妙で、老若男女問わず「飲むとほっとする。」と感じる方も多い料理です。
このお味噌汁ですが、地方によって味噌の種類が様々です。
【地域別・味噌の主流】
北海道~関東の一部・・・辛口の米みそ
本州、四国・・・米みそ
東海・・・豆みそ
関西~中国・・・白みそ
中国四国の一部と九州・・・麦みそ
使う味噌の種類は違っても、和風出汁と素材のうま味がぎゅっとつまった味わいが人気です。
子どもたちに人気の家庭料理
家庭で作る頻度の多い料理は、「子どもたちが好きだから」「よく食べるから」と言った理由がほとんどではないでしょうか。
私が実際に料理代行で伺うご家庭でも、子どもの嗜好に合わせた料理のリクエストを多く頂きます。
素材やだし汁のうま味と甘味、ほどよい塩加減が感じられる料理が子どもたちに人気の様です。
肉料理
なんといっても、お肉料理は必ずリクエストをいただく献立です。
お肉料理で人気なメニューは、
①位・・・唐揚げ
②位・・・チキン南蛮
③位・・・生姜焼き
の順です。
どの料理も、お肉のうま味と醤油の香ばしさが人気のポイントです。
肉料理を苦手だというお子さんもいらっしゃいますが、原因の大半は固さです。
噛んでいるうちに味がなくなる・噛み切れないという理由が多いです。
そんなときは、こんなポイントを意識すると食べやすくなります。
【肉料理を美味しく作るポイント】
- 下味をつける
- 焼き過ぎない
- 噛み切りやすい大きさにする
その他にも出汁のきいたあんかけに入れたり、お味噌汁に肉団子として入れてあげるのも食べやすくなるのでおすすめです。
魚料理
ついつい喜ばれるお肉料理を出しがちですが、お魚料理も出していきたいものですよね。
お魚料理で人気なメニューは、
①位・・・ブリの照り焼き
②位・・・鮭の西京焼き
③位・・・サバの竜田揚げ
の順です。
魚料理は、しっかりめの味付けが人気です。
ほんのり甘味も感じられるので、ごはんに合うおかずになっています。
美味しく魚を調理するには、鮮度の良さも大切です。
魚の表面にツヤがあり、色鮮やかなものを選びましょう。
また焼く、揚げる調理をする前は、軽く塩を振り10分ほど置いて表面の水分をしっかりふき取ってから調理することで魚の臭みがなくなり美味しくなります。
一見大変そうな煮魚も、しょうがを後入れし、強火10分の短時間で仕上げることによって簡単にだしのうま味と一緒に味わえる1品になります。
副菜
食卓の彩やバランスアップに欠かせないのが、副菜です。
副菜は、
①位・・・肉じゃが(主菜にもなる)
②位・・・味噌汁
③位・・・野菜のそぼろ煮.・茶碗蒸し
が、お子さんたちの人気メニューです。
こちらはだし汁のうま味と素材のうま味が合わさり、どこか懐かしいやさしい味付けの料理が人気です。
だし汁(だしパックでも)をしっかり取ることで、美味しさがアップします。
また、肉じゃがやそぼろ煮は肉や野菜を炒めることでもうま味が増します。
顆粒だしを使用する場合は最初から使用するのではなく、味付けをしてだしの味が足りないと感じた時に補助的に使用することをオススメします。
家庭料理は、料理だけでなく食べる環境も大切
子どもの頃、ちょっとおめかしをしていつもと違う雰囲気を味わいながらするレストランでの食事に、ワクワクした記憶はないでしょうか。
レストランの食事は特別で嬉しいものですが、家庭料理にそれに負けない良さがあります。
何気ない日常で、家族とたわいもない会話をしながら囲んだ食卓はその家庭にしかない何にも変えられない時間になるからです。
その時にしか味わえない思い出や味の記憶が、大人になってからの食生活にも影響していきます。
食事を楽しむ空間の工夫
食事を楽しむには、落ち着ける心地よい空間が大切です。
なぜならば、好きな音楽や一日の楽しかった出来事を話しながらの食事と、雑音の中で嫌だった出来事を思い出しながらの食事は感じる美味しさが異なるからです。
同じ食事なら、楽しく笑顔で囲みたいものですね。
食事の準備が毎日忙しいときは、具だくさんのお味噌汁など一品でいろんな食材を食べれるようにしたり、作り置きをしておくのもお勧めです。
時には、料理代行や宅配サービスを上手に利用するのも1つの方法です。
心にゆとりを持ち、笑顔で食卓を囲むことが大切ですね♪
家庭だからこそできる「お手伝いの習慣」
食事の準備はお母さんがするものではなく、家族みんなでする習慣があれば、子どもたちも自然と自分たちで何をどうするか考えるようになります。
毎日の食事の準備は、決して楽なものではありません。
だからこそ家族一人ひとりが自分事ととらえるには、料理を一緒にすることも大切ではないでしょうか。
料理をしながら、自然と家族の会話にもなりますし、
「この味付けは、この調味料を使うんだ。」
「この食材は、こうやって食べれるんだ。」
「たくさんの食材の命を、頂いているんだね。」
と、自然な食育にもなります。
実際に一緒に料理をすることが難しければ、はしを並べたりするだけでもOK。
スーパーなどでどのように売られているか、食卓に並ぶまでにどうなっていくのかを見せることも大切だと感じます。
まとめ
子どもの頃の味の記憶は、大人になってからもよみがえる思い出の味です。
家庭の味には、その時の楽しかった思い出や家族の笑顔なども反映されています。
好きなものが食卓に並んでいるのはもちろんうれしいことですが、みんなで食卓を囲む時間はそれ以上の宝物です。
家庭料理を囲み、その家庭の味の好みを話し合い、ほっとできる味を子どもたちに伝えていきたい物ですね。