栄養士に向いている人とは?大切な素質と活躍できる素質はコレ!

栄養士は、食と健康に関わり、様々な分野で注目されている人気がある資格職です。

栄養士の資格に興味を持った時、「自分に向いているのかどうか」は気になることですよね。

また、栄養士として仕事をしていくなかで、「自分は向いているのか」と悩んでいる方も多くいるようです。

今回は、栄養士に向いている人の素質についてご紹介します。

 

大切なことはまずコレ!「大切な素質」3つ

 

栄養士として仕事をしていくには、根本的に大切な素質が3つあります。

・食べ物や料理が好き

・健康に興味がある

・人との関わりが好き

大切な素質3つは、栄養士のどんな分野の仕事についても関わってくる要素です。

3つの素質の中で苦手なものがあると、栄養士として仕事を続けるのがつらくなってしまうことがあります。

なぜ大切な素質なのか1つずつ考えてみましょう。

 

食べ物に興味があり、調理が好き

常に食べ物に関わる栄養士は、「食べ物に興味があり、調理が好きであること」は必須条件です。

そのため、食べ物に興味があり、調理が好きな人は、それだけで栄養士の素質が備わっていると言えます

普段の生活の中でも常に食のアンテナをはることが、栄養士の仕事をより良い物にするからです

栄養士の仕事は、「献立を立てる」「栄養相談をする」などが思い浮かびます。

調理のプロフェッショナルには「調理師」という資格もあるため、

「栄養士は調理ができなくても料理に関する知識だけあれば大丈夫」

と思いがちです。

しかし、献立をたてる際、料理の栄養素などの知識だけではうまくいかないことが多くあります。

献立の組み合わせは、料理の具体的な調理方法や作業がわかっていないと、切り物が多すぎで調理現場で時間内に終わらなかったり、衛生的に調理が進められないなどの不具合が発生してしまいます。

給食調理現場では、調理員の方に「栄養士は口ばかりで調理をしらない」とよく言われてしまうのは、調理の作業がきちんとイメージできないまま、栄養素だけで献立を立てているためです。

調理員の不満が栄養士に向いてしまうと、仕事がスムーズにまわらなかったり、協力体制が得られず、トラブルに発展してしまいます。

また、栄養相談でも調理がわからないと、対象者の生活に沿った提案や改善方法は伝えられません。

対象者の方がせっかく改善を試みても、「言われたとおりやってみたけど、できなかった」という結果では、栄養相談の意味がなくなってしまいます。

調理のノウハウを知らずに、栄養価だけを提示する栄養士では、仕事の役割を果たすことはできないのです

そのため、普段の生活でも食を楽しみ、日々調理をしている人は、自然と仕事がうまくいく素質があるのです。

 

健康に興味がある

栄養士の仕事の目的は「食べることを通じて健康な身体になる」ことです。

そのために献立を考えたり、栄養相談を行ったりします。

健康についての興味も、大きく分けて3つの種類があります

1.自分の健康への興味

2.他人(対象者)の健康への興味

3.新しい健康情報への興味

1つ目は、自分の健康への興味は、栄養士として仕事をする上で基本になることです

他人へ食や生活習慣の栄養指導をするのに、自分がメタボリックシンドロームや生活習慣病では説得力がないからです。

遺伝などやむを得ない病気は仕方がありませんが、少なくとも食と生活習慣の積み重ねで引き起こされる病気にはならないよう、自己管理をしっかりすることが大切です

2つ目は、他人(対象者)の健康への興味は、他人(対象者)ごとにあった健康管理を考えるということです

人は、一人ずつ身体も生活習慣も違うため、献立作成や栄養相談も、それぞれの対象者にあったもので無ければなりません。

相手の立場になって、一人一人の将来を見据えた健康管理を一緒に考える必要があるのです

3つ目は、新しい健康情報への興味は、常に最新の栄養学や健康情報を手に入れるアンテナをもち、勉強をし続けることです。

食や健康に関する情報は日々更新され、中には以前と内容が180度変わってしまうこともあります。

栄養士として間違った発信をして、相手の健康をそこなうようなことがあってはいけません。

そのため、栄養士の資格をとって終わりではなく、日々情報を自ら取得し、勉強し続ける必要があるのです

渡邊
渡邊

色々な角度から健康への興味がある人は、栄養士としてどんどん成長し、力をつけることができるのですね。

 

人との関わりが好き

「人との関わりが好き」というのは、「コミュニケーション力」や「協調性」があるということです

栄養士は資格職として職場に配属されるのが1人であっても、実際の仕事はチームプレーが必要な仕事がほとんどです

そのため、年齢や経験の異なる人たちと協力し、1つのことを成し遂げるのに必要なコミュニケーション力や協調性は欠かせない素質なのです。

例えば、栄養相談では限られた時間の中で対象者の方と会話をしながら、人間関係を築くこと・食習慣の改善につなげる話しをすることが求められます。

また、働く現場によって教員・医師や看護師・ヘルパーや介護士となど、他職種の人たちとの連携が必ず発生します

毎日の仕事でコミュニケーションがうまくいかないと精神的に辛いだけでなく仕事自体の効率も落ち、質も悪くなります

このように栄養士の仕事では、年齢や経験の異なる人たちと協力し、1つのことを成し遂げるのに必要なコミュニケーション力や協調性は欠かせないものと言えます。

 

渡邊
渡邊

栄養士が「仕事がうまくいかない」「やめたい」と思う理由の多くは、「コミュニケーション」のトラブルが原因なのです。

栄養士として「持っていると良い素質」4つ

 

栄養士として仕事が楽しくなり、充実した活躍をするために、持っていると良い素質があります。

・誰かの役にたちたい「サービス精神」

・「理系」が得意

・自分の意見をしっかり言える「責任感」

・ハードな仕事もこなせる「体力」

4つの素質は、元々自分にもっていると栄養士に「向いている」と言えますが、仕事を続けながら徐々に身に着けていくものでもあります。

今自分になくても、栄養士に向いていないと思わず、「持っていると良い素質」が身に着けられるよう意識しながら仕事をしていくことが大切です

 

誰かの役に立ちたい「サービス精神」

栄養士にとって、誰かの役に立ちたいという「サービス精神」は、仕事をするモチベーションとしてとても大切な物です

栄養士は、栄養面から人々の健康な暮らしをサポートしていく役割を担います。

サポートするのは、身体や生活に関わる様々な悩みや要望をもっている方々です。

・病気になり、食生活の管理が必要

・体重が増えてしまい、メタボリックシンドロームになってしまった
・高齢になり、歯や飲み込みの状況が悪くなり、困っている
・子供の離乳食の進め方がわからない
・好き嫌いが多い子どもに、様々な食品を食べさせたい  など

 

食の悩みやトラブルは、年齢も幅広く、内容も様々です。

たいしたことがないように思える食の相談も、相談された方にとってはとても重要な事なので、内容に分け隔てることなく、適切にサポートしていく必要があります

また、食はただ食べるという行為だけでなく、精神面や生活状況にとても左右されるため、教科書通りの食のサポートをしても改善されないことがほとんどです。

例えば、「大切な人が病気になってしまい、落ち込んでいる」ことで食欲が落ちて、体重が減ってしまっている方がいるとします。

その方に「規則正しく3食食べれば体重が戻りますよ」というアドバイスをしても、食べられるようにはなりません。

まずは辛い思いに寄り添い、その方がどうしたら心が晴れるのかを一緒に考えるなど、食事とは直接関係なさそうに思える部分のフォローも必要になります。

時間はかかっても、しっかり気持ちに寄り添うことが、食欲の改善につながるからです。

このように、「たくさんの人の役に立ちたい」「困っている人を助けたい」といった気持ちを持ち、他人の役に立つことに喜びを感じられる人は、常に頼られる素敵な栄養士になるのです

 

理系(数学・化学・生物学)が得意

栄養士は数学と化学、生物学が常に関わる仕事です

・献立作成、栄養価計算・・・主に「数字」や「計算」

・疾病と食事の関わり・・・人間の体の仕組みに関わる「化学」

・調理に関わる食材の変化・・・食材に関わる「生物学」と、調理による「化学反応」

数字に関わる例としてわかりやすい部分では、献立の作成です。

献立の作成に関わる仕事の際には、栄養価計算をする必要があるため、常に数字に向き合う必要があります。

栄養相談では、対象者の必要栄養量に沿って、エネルギー量やたんぱく質量などを計算しながら進めていきます。

今は栄養価計算ができるパソコンソフトなどがあり、簡単に献立をたてることができるので、計算が得意でなければいけない、というわけではありません。

ただ、常に数字と向き合う必要があるので、苦手意識があると辛いものです。

また、疾病と食事の関わりは、化学式が関わる体のしくみをしっかり知っていることが大切です。

例えば、糖尿病の方に対して献立をたてるとします。

糖尿病の方の献立作成には、エネルギー制限をするのはなぜなのか、インスリンの分泌や血糖値が下がる仕組みなどもしっかり押さえたうえで、最善の食事バランスを考えていくことが必要です。

患者さんに栄養指導をする際も、しっかり仕組みを知ったうえで説明をしていくのと、一方的にエネルギー量や食事バランスだけを伝えて説明をするのでは、受け入れられ方が全く違います。

一見理系とは関係がなさそうな調理でも、食材の変化には化学反応が関わっていますし、食べ物が人の身体の中でどのように使われるかということは生物、化学の分野です。

もちろん、理系科目が苦手でも栄養士として活躍している人はたくさんいます。

しかし、理系科目が好きで好奇心を持って仕事に臨める人であれば、栄養士の仕事はより楽しく、仕事内容も充実するでしょう

 

自分の意見をしっかり言える「責任感」

栄養士は、同職種が「1人」という職場が多くあります。

栄養分野に関わる仕事をする事が「1人」に任されるため、関わる仕事に責任感を持って取り組める人が向いています

病院などでチームを組んで仕事に取り組む際も、多職種の方に栄養士としての意見をしっかり言える発言力も必要になります。

また、調理員たちに指導をすることもあるため、リーダーシップがとれるということも栄養士の適性の一つです。

発言力やリーダーシップは、最初から自信をもっている人は少ないと思います。

栄養士として継続した経験によって身についていくものなので、心配しすぎず、仕事を続けることが大切です。

 

ハードな仕事もこなせる「体力」

栄養士の仕事は、思った以上に体力が必要です

体力が必要なのには、いくつかの理由があります。

・同職種が少なく、代わりがいないことが多い

・給食現場の大量調理は、食材や調理器具が重く、長時間立ちっぱなしのことがある

・調理現場は夏暑く、冬は寒い

・病院や介護施設など3食提供の施設では、早朝勤務など変則的な生活習慣になる

職場によって環境は様々ですが、食に関わる仕事は「身体が基本」の職場が多いのが現状のため、まずは自身の健康管理をしっかりしていくことが大切です。

心も身体も元気に仕事をするために、しっかり睡眠をとり、できる限り規則正しい生活をして体力を維持しましょう。

 

栄養士に「向いている」人になるには?

 

素質だけを考えると、自分は向いていないと思ったり、素質を持っていてもうまくいかず、悩んだりしている人も多くいます。

栄養士として自分の力を発揮し、楽しく生き生きと仕事を続けていくためには、いくつかの必要なことがあります。

より充実した栄養士としての仕事をしていくために、考えてみましょう。

 

得意な分野を選び、自分の力を発揮する

栄養士の仕事分野はとても広く、様々な環境の職場があります。

そのため、自分の性格や得意なことをしっかり見極め得意分野を伸ばしていくことが大切です。

例えば、

料理が得意な人は「調理現場がある職場」

人との関わりやコミュニケーションが得意な人は「栄養相談ができる職場」

地道な作業や自分の作業に没頭したい人は「商品開発や研究の職場」

など、働く環境や内容は様々です。

それぞれの得意分野や性格、個性などが活かせる栄養士の仕事が必ずあります

栄養士に向いているか迷ったら、栄養士の仕事を色々調べ、自分の得意な事が活かせる職場を探してみましょう。

 

「継続力」で栄養士に向いている人になる

どんな仕事でも「向いているか、向いていないか」を判断するのはある程度の継続した期間が必要です

仕事を初めて3年間は、「向いているかどうか」の判断はできません。

1年目はその環境や仕事に慣れることが必要です。

2年目で1年目に行った仕事を再現しながら確認し、

3年目でやっと仕事や心に余裕が生まれ、自分なりの仕事スタイルや新しいことにチャレンジしていくことができるのです。

最初の1年はうまくいかなくて落ち込んだり、その仕事に向いていないと考えてしまいがちな期間です。

ここで諦めてしまっては、本当に向いているのかどうかの判断はできません。

仕事の内容も人間関係も、継続することでうまくいくようになり自分なりの仕事や栄養士としてのスタイルが見えてきます

栄養士として向いている人になるためには、ある程度の期間の「継続力」が必要なのです。

 

助け合える仲間を見つける

仕事の悩みを抱えた時、悩みを打ち明けられる仲間がいることがとても大切になります

悩んでいるときは、自分の思考が偏っていたり、冷静な判断ができないことが多々あるからです。

「自分は栄養士に向いていないかもしれない」と考え出すと、「向いていない」という方向でしか考えられなくなってしまいます。

仕事に対してマイナスな思考になってしまった時、なんでも話し合える仲間がいることで、話しながら頭を整理したり、違う方向からの意見をもらったりすることができます。

話すだけでも心が晴れ、気持ちが楽になることもあります。

仲間は同じ職種や職場の人でなくてもかまいません。

自分の正直な気持ちや迷いを、しっかり打ち明けられる仲間をみつけましょう

「栄養士に向いている」人でいるためには、仲間の支えがとても大切になるのです。

 

まとめ

栄養士は、元々「向いている」素質を持っているだけでは、続けていくことができません。

自分が持っている素質や、栄養士としてさらに必要なことをしっかり理解し、習得していくことが必要になります。

どんな仕事でも同じですが、好きな事ややりたいと思ったことを自分の物にするためには、ある程度の期間努力し、継続していくことが何より大切です。

栄養士になりたいと思ったら、まず必要な素質は何か整理をして、自分のものにできるように努力をしてみましょう。

また、さらに栄養士として充実した活躍をしたいとおもったら、一度原点にかえり「栄養士に向いている人とはどんな人か」を見つめなおしてみましょう。

足りていない部分や、忘れていたこと、さらに充実させていく部分が明確にすることは、どれだけベテランになってもとても大切なことです。

目指すべき分野の栄養士として自信をもって活躍できるよう、「栄養士に向いているのはどんな人か」について一度しっかり考えてみましょう。

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