大切にしたい「心の健康の維持」は食事がカギ!

新生活が始まり1か月以上経過した5~6月は、「心身の不調」が起こりやすい時期です。

なんだかだるい

起きるのがつらい

前向きな気持ちになれない

など、体や心に疲れのサインが出てきます。

疲れのサインが出る原因のほとんどは、さまざまな「ストレス」から起こるものです。

人間はストレスを受けるとそれを発散させる仕組みが、いろいろ備わっています。

ストレスが一定のラインを超えてしまう前に、心身の疲れを改善することが大切です。

実は、ストレスのほとんどは「生活のリズム」と「食生活の乱れ」が原因で起こっています。

そのため、この2つを改善することで心身の不調は改善され、さらにストレスに強いからだを手に入れることができます。

今回は、疲れやすいこの時期だからこそ見直したい、ストレスに強くなるための「生活のリズム」と「食生活」について考えてみましょう。

 

心の健康は「食事」で維持できる

 

忙しく余裕がない生活を続けていると、「食事」は簡単になってしまいがちになったり、欠食してしまうことはありませんか?

実はストレスが強くかかるときほど、そのストレスに立ち向かい解消するためには、普段よりたくさんの「栄養」が必要になります。

そのため、食事をしっかりとることが心の健康の維持にはとても大切になります。

ここでは、「食事」と「心の健康」の関係について考えてみましょう。

 

心の不調は「脳の働き」の不調が原因

私たちはストレスによる不調は「心の健康を崩した」と考えますが、実は脳の働きが不調になっているサインです。

心の健康は「神経」に関わりがあり、神経をつかさどる元は「脳」です。

脳は神経の働きに関わる、さまざまなホルモンを出しています。

心の不調をきたしているときには、神経を正常に働かせるために必要なホルモンが、ストレスにより正常に出なくなってしまっているのです。

脳の働きを鈍らせるストレスには、さまざまなものがあります。

 

脳の働きを阻害するさまざまなストレスの例

・人間関係や環境の大きな変化

・食事の偏りによる栄養不足

・食事を中心とした生活のリズムの乱れ など

 

心の不調に陥るストレスの代表的なものが、「人間関係や環境の変化」です。

しかし実はストレスが1つだけであれば、体が不調になるまで深刻な心の不調に陥りにくいものです。

主となる原因が人間関係だったとしても、それが原因で食事の内容や生活のリズムが崩れることで徐々にストレスが積み重なり、深刻な「心の不調」に陥ってしまうのです。

つまり、どんな状況でも食事の内容や生活のリズムを崩さないようにすることで、取り返せないほどの心の不調に陥るリスクを減らすことができます。

学校や仕事、家庭環境などに関わる「人間関係や環境の変化」は、自分の力で変えることが難しいのがほとんどです。

しかし、食事や生活習慣は気をつけることで改善することができます。

脳の働きを常に健康に保ち、さまざまなストレスに負けない心を保つことができるよう、自分自身でも管理しやすい「食事」や「生活習慣」を整えていきましょう。

 

「食事の偏り」は大きなストレスになる

心の健康に大きく影響するストレスの1つに、「食事の偏り」があります。

心の健康に関わる「脳」が働くためには、食事から必要な栄養を過不足なくとることが必要です。

つまり、食事の偏りなどにより脳に必要な栄養が不足すると、心の不調をきたすことがあるのです。

食事と脳の関係はさまざまな研究がされており、次のような食生活が心の健康に影響しているといわれています。

 

 

どれも「偏った食事」により脳の働きにも影響し、心の健康にも不調がでるという例です。

栄養の過不足による体の不調は一日で起こるものではなく、毎日の積み重ねでおこっていくものです。

心に不調を感じたら、まず自分の食事が乱れていないか、偏っていないかを確認してみてみましょう。

 

 

渡邊
渡邊

食事に関係する大きなストレスを取り除くことで、心の健康を改善する大きな一歩になります!

 

元気な心の維持に必要な食生活はコレ

 

心を元気な状態で維持するためには、規則正しい生活とバランスの良い食事が不可欠です。

ここでは、バランスのよい食事を考える際に、意識してとりたい栄養素や食べ方について考えてみましょう。

 

現代の生活に不足しがちな栄養素を意識

バランス良く食べようと思っていても、現代の生活の中では不足しがちな栄養素があり、特に意識して食べることが大切です。

忙しい現代の生活の中では食事の時間は短く手軽で安価に食べられるものが多くなり、食事の内容も偏りがちになってしまうのです。

 

偏りがちな食事の例>

・丼ものや麺類など炭水化物中心

→時間やお金の節約のため、とりあえずお腹を満たす

・ケーキやおやつなど間食を食事代わりにする

→誤った食事管理とダイエット思考

栄養補助食品やサプリメントに頼った栄養管理

→栄養管理と食事自体の大切さを誤っている

 

このような偏った食事はどれも、現代だからこそおこりがちになるものです。

こういった食生活を続けると本来必要な栄養素や、ストレスがかかるときだからこそとりたい栄養素は不足しがちになります。

現代の生活の中でストレスに負けずに強く生きていくために必要な栄養素は、つぎの通りです。

 

たんぱく質・・・体の組織、細胞を作る。心の健康に関係がある、セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質となるホルモンの材料となる。

ビタミンB群・・・たんぱく質をアミノ酸に分解に必要。アミノ酸は神経伝達物質脳の材料となるため、不可欠。また、神経伝達物質の合成に関わる「葉酸」は、不足すると「憂うつ」になる。

ビタミンC・・・脳内ホルモンの合成に関わり、鉄分(非ヘム鉄)の吸収を高める。ストレスが多いときは、カルシウムとビタミンCが消耗される。

鉄分・・・不足すると、脳に運ばれる酸素量が少なくなり、脳の機能低下やうつの症状のリスクを高める。

食物繊維・・・「腸」は第2の脳と呼ばれる。神経伝達物質は腸でも作られると言われているため、腸内環境を整えることも心の健康に直結する。

 

できるだけ単品食べにならないよう意識することで、食事のバランスは改善していきます。

丼飯に野菜のサラダをプラスする、おにぎりにチキンサラダをプラスするなど、まずはプラス1品を意識するところから始めてみましょう。

現代で不足しがちな栄養素をしっかりとることは、ストレスに強い心と体をつくることに直結します。

疲れ気味のときこそ、食事をしっかりバランスよく食べるように心がけましょう。

 

特に大切!「朝ごはん」で一日のリズムを

1日のリズムを整えるために特に大切なのは、「朝ごはん」です。

朝ごはんを食べることはただ栄養をとるだけではなく体や心にとって大切な役割がたくさんあるからです。

 

 

「食事をする」ということは、栄養をとるということ以外にも、体のさまざまな器官を使い動かすことにつながります。

朝の決められた時間にしっかり食事をとることで、日中の活動が充実し、夜間はしっかり睡眠できるという「一日のリズム」ができあがります。

朝ごはんを食べず昼食から始める食事のリズムにすると、日中の充実した活動が午後以降にずれてしまいます。

活動が午後にずれた分夜遅くまで活動するリズムになり、睡眠の時間や質が低下することにもつながってしまうのです。

心と身体を健康的に正常にまわす生活のリズムは、朝ごはんをしっかり食べることから始まります。

忙しかったり心に余裕がないときは、朝ごはんを抜いてしまいがちです。

しかし余裕がないときこそ、朝ごはんをしっかり食べることで、ストレスに負けない心の健康を保つことができます。

毎日しっかり朝ごはんを食べて、ストレスに負けない一日の体のリズムをつくりましょう。

 

 

食事を楽しみ、ストレス解消に!

食事はただ栄養をとるというものではなく、楽しむことでストレス解消にもつながります。

「食べる」という行為は、生きていくために本能的に好むことのため、充実させることで満足感を得やすいのです。

美味しいものや好きなものを食べることで緊張を和らげたり、精神を安定させるなどの効果を得ることができます。

また、食べ方にも工夫することでより効果的です。

 

気の合う人と食事をする

外食で味や雰囲気を楽しむ

・家で食べるときも、器や彩を意識して見た目を工夫する

 

気心の知れた友人や家族と、和やかな雰囲気の中で会話を楽しみながら食事をすることは、ストレスの緩和や充実感が得られる最高の方法です。

食事の内容や食べ方を楽しむことができる時間を定期的に作り、ストレスの解消をはかっていきましょう。

 

「幸せホルモン」でメンタルヘルス改善

 

心の健康を良い状態に保つために必要な物質に、「幸せホルモン」というものがあるのを知っていますか?

心の健康の不調は、ストレスなどによりセロトニンの分泌が不足してしまうことも原因の一つになります。

ここでは、しあわせホルモン「セロトニン」について知り、メンタルヘルス改善に役立てましょう。

 

精神を安定させる働きがある「セロトニン」

幸せホルモンは「セロトニン」という神経伝達物質で、精神を安定させる働きがあるため、メンタルヘルス改善のカギになります

 

セロトニン(別名:幸せホルモン)

脳から分泌される神経伝達物質。感情のコントロールに深くかかわる。

精神を安定させ、幸せを感じやすくさせる働きがあるため、「幸せホルモン」とも呼ばれている。

 

心の健康に大きく関わりがあるホルモンのため、不足するとさまざまな不調をおこし、うつやパニック症とも関係があります。

 

<セロトニンの分泌が不足すると起こる症状>

・ストレスに弱くなる

・やる気がおきない

・イライラする など

 

さまざまなストレスによりセロトニンの分泌が不足してしまうと、気分が落ち込むなどの心の不調に陥ってしまいます

うつ病の治療などに服用する薬には、セロトニンの分泌を働きかけるものも使われており、心の健康の維持と回復のためにセロトニンは欠かすことができません。

心の健康には、精神の安定をつかさどる「セロトニン」をしっかり分泌させることが大切なのです。

 

生活リズムがホルモン分泌に影響

セロトニンを効率よく分泌させるためには、脳をしっかり働かせるための生活リズムが大切になります。

セロトニンは、食事や生活習慣の改善により分泌を改善することができます。

 

 

セロトニンの材料はたんぱく質で、意識しないととりきれない栄養素の1つです。

特に朝食や昼食で不足しがちになるため、必ず食べるように心がけましょう。

また、太陽の光をあびたり運動をすることも、セロトニンの分泌にとても影響があります。

心の不調を感じているときには、生活のリズムが崩れていることが多くあります。

完全に規則正しい生活が難しい場合も、できる範囲でより脳の働きをよくするための生活に近づけることで、セロトニンの分泌を改善していくことができます。

幸せホルモンの「セロトニン」の分泌ができるだけ多くなるような生活を意識して、ストレスに負けない体を維持しましょう。

 

セロトニンの原料は不足なくしっかりとる

セロトニンをより多く分泌させるためには、原料となる「トリプトファン」をしっかりとるように心がけることが大切です。

トリプトファンたんぱく質の成分となる必須アミノ酸からできており、体内で作り出すことができないため、不足しないように食べ物から摂取する必要があります。

また、セロトニンの合成にはビタミンB6が必要になるため、合わせて取ると効果的です。

トリプトファンとビタミンB6を含む食材には、次のようなものがあります。

<トリプトファンとビタミンB6が含まれている食材>
肉類・・・鶏レバー・豚レバー
魚類・・・まぐろ・かつお
大豆製品・・・豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品
乳製品・・・チーズ・牛乳・ヨーグルトなど
穀類・・・スパゲティーやそば
その他、卵・バナナなど
トリプトファンの原料となるたんぱく質は、毎食意識してとらないと必要な量が足りなくなりがちな栄養素のため、普段の食事にさらにプラスしてとることがおすすめです。
乳製品や納豆などの大豆製品は、トリプトファンやビタミンB6がバランスよく含まれており、普段の食事にもプラスしやすい食品です。
朝ごはんに納豆をプラスする、デザートにヨーグルトを食べるなど、プラスワンして食べるようにしましょう。
また、ビタミンB6は熱に弱いため、できるだけ火を通さないか、さっと加熱する程度で食べるほうが無駄なく摂取することができます。
セロトニンの原料は不足しないようにしっかり食べることで、必要な量を脳が分泌することができるようになります。
毎日の食事で意識して、セロトニンの原料となるトリプトファンを多く含む食品を摂取するようにしましょう。

 

まとめ

毎日忙しくストレスを抱えがちな現代は、心の健康を崩してしまいがちです。

特に、生活環境や人間関係が変わる4~5月は知らないうちに無理をしてしまい、体にさまざま不調が出てきやすい時期です。

取り返しがつかないほど体と心が疲れてしまう前に、対処することが大切です。

心の健康を取り戻しストレスに強くなるためには、「食生活」を中心に生活のリズムを整えることが効果的です。

食事は栄養をとるという大きな役割のほかにも、生活のリズムを整える「スイッチ」になったり、心の健康を維持するために必要なホルモンをしっかり出す環境を整えたりします。

心が疲れがちな時は食生活も乱れてしまいがちですが、しっかり食事をとることでストレスに負けない心と体を維持することができます。

朝ごはんを中心とした3回の食事のバランスの良い食事をしっかりとり、心もからだも元気に過ごしましょう。

 

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