子どもの夏休みの宿題のなかで、頭を抱える課題の1つに自由研究がありますね。
自由に研究できるところが良さなのですが、その自由さが逆にネックになってテーマが決まらなかったり、研究が進まなかったり悩みがちです。
そんな時におすすめなのが、植物の栽培です。
この記事では、自由研究におすすめの手軽に栽培できる植物を紹介します。
興味のある植物を育てて、家族の会話の種になったら一石二鳥ですね。
では、家庭でも育てやすい野菜からみていきましょう。
植物の栽培が自由研究にうってつけの理由
野菜や花は、家庭で気軽に栽培することができます。
野菜や花の栽培は、植物ごとの成長の違いや形の違いなど、研究結果を記録しやすいため、自由研究におすすめです。
植物栽培は「自由研究の悩み」を解決する
小学館の調査によると自由研究に関する悩みでは、
1位 テーマ探し
2位 親がどこまで関与するか
3位 子どもが自主的にやらない
という結果がでています。
やはり、テーマ設定は1番の難所といえます。
しかし、植物の栽培は、子どもが育てたい植物を決めるだけでテーマが決まります。
親が関わらなくても子どもが自分で興味を持って取り組みたくなるメリットもあります。
植物の栽培を自由研究にすることは、親が悩みがちな自由研究の悩みをいくつも解決しすることにつながるのです。
子どもの感性を刺激して成長につながる
植物の栽培は、成長の変化を見て・触って感じることができるなど、子どもの感性を刺激して成長につながります。
なにより、自分で育てることで達成感を得ることができ、生命の不思議を体験することができます。
そして、美味しい野菜や美しい花が、家族に彩りを添えてくれるメリットもあります。
自分で選んだ植物は、愛着がわくものです
大切に育てるなかで、たくさんの気づきが得られるでしょう。
野菜を育てて、美味しく研究!
野菜は、家庭でも栽培することができます。
野菜の栽培は、野菜ごとの成長の違いや形の違いなど、子どもでも研究結果を記録しやすい特徴があります。
うまく育てば、美味しく食べることもできます。
ぜひ、家族で育ててみてはいかがでしょうか。
真っ赤な色が元気印!ミニトマト
真っ赤な色が特徴であるミニトマトは、料理の彩りに花を添えてくれます。
ミニトマトは、子どもでも手軽に育てることができる植物です。
トマトに比べて実がたくさんつくので、育てる喜びや、色の変化を体験することができます。
栽培に適した時期は春のミニトマトですが、苗から育てるのであれば夏からでも失敗が少なく育てることができます。
ミニトマトは直射日光を好む特徴があるため、夏の暑い日差しを味方につけて育ってくれます。
以下に記載した「良い苗の特徴」を参考にして、苗を選んでみましょう。
・茎の太さがえんぴつ程度
・花やつぼみがついている
・根がポットの底穴から見える
ミニトマトは「接ぎ木苗」と「実生苗」が販売されていますが、「接ぎ木苗」のほうがおすすめです。
実生苗は接ぎ木苗に比べて安価ですが、比較的病害虫の被害を受けやすいので注意してください。
次に育て方を紹介します。
・プランターや鉢植えに土を入れ、植え穴をあけて水をたっぷりあげる。
・ミニトマトの苗はわき芽(主枝と葉の間から出る芽)をすべて摘み取る。
・苗ごとバケツなどに浸し、たっぷり水を含ませる。
・根鉢を崩さないように植え付けたら、株元に土寄せして軽く手で押さえる。
ミニトマトは、わき芽の手入れを欠かさないことで、実をみのらせることができます。
わき芽とは、メインの枝と横に生えていく枝の間から更に出てくる芽のことです。
少し見ない間にどんどん生えてきてしまうため、芽が小さいうちに取り除きます。
必要な芽だけ残して育てることで、養分を十分にまわし、ふっくらとした実をつけることができます。
このように手軽で失敗が少なく、収穫までできるミニトマトは自由研究にうってつけなのです。
ミニトマトは比較的早く実ができるので、達成感を味わうことができますよ。
可愛らしい姿が特徴のラディッシュ
参考:ラディッシュ
ラディッシュは「二十日大根」とも呼ばれ、その名の通り種まきから1カ月ほどで収穫できるため、短期間で育てたい自由研究にもピッタリの野菜です。
比較的害虫に強く、子どもでも育てやすいのが特徴です。
生育温度が18~30度のため、夏でも日当たりがよく涼しいところで育てれば栽培できます。
日当たりと水はけのよい土を用意しましょう。
ラディッシュの種は、形が整った、大きなものを選ぶと育ちが良くなります。
ラディッシュの種まきと、育て方を以下に紹介します。
・よく洗ったプランターに鉢底石を敷き、培養土を入れる。
・鉢底石や培養土は軽くプランターの側面を叩き、落ち着かせる。
・種まきは、深さ1cm程度の溝を作り、その溝に1cm間隔で種をまく。
・まいたら、両側から指でつまむように土をかけ、手で軽く押さえます。
・種まきの後は、プランターの底から水が流れるくらい、十分な水やりをする。
・発芽前に種が乾かないように水やりをする。
・プランターは、日当たりの良い場所に置く。
発芽後は、重なり合った葉や元気のない葉を摘み取る「間引き」を行います。
そうすることで、状態のよい若葉の根が隣の若葉の間引きで傷がつくことを防ぎ、割れのないラディッシュを育てることができます。
また、本葉が3~4枚になったら株間を5cm程度になるように間引きましょう。
間引きした株は食用できるため、ラディッシュの実ができる前に食べることができ、自由研究のネタを作ることができますよ。
赤シソ・青シソで香りを楽しもう
参考:シソ
赤シソは、ゆかりの原材料です。
赤紫の色で染物したり、梅干しの色付けにも役立っています。
青シソは緑の葉で、刺身や麺類の薬味として活躍します。
どちらも虫に強い特徴があるため、子どもでも育てやすい野菜の1つです。
理由は、シソの爽やかな香りです。
育った赤シソ・青シソの香りを体験し、違いを自由研究のテーマにするのもよいでしょう。
シソの栽培の自由研究は、ママにも嬉しいポイントがあります。
庭先に数本あれば、ちょっとしたお料理に1〜2枚摘んできて使えてとても便利です。
夏の麺類のお供にもぴったりです。
シソは、殺菌効果や防腐効果にも優れているので、お弁当の彩りにも使えますよ。
まずは、シソの苗の選び方を紹介します。
・シソの苗は、茎が太くてしっかりしたものを選ぶ。
・茎が細かったり、ひょろひょろしているものは避ける。
・葉が元気で生き生きとしているものを選ぶ。
・傷んでいたり、萎びているものは避ける。
生き生きとした見た目の苗を選ぶと、しっかり根がはり、長くシソを楽しむことができます。
次にシソの育て方と特徴を紹介します。
・基本的には日当たりの良い場所で育てましょう。
・真夏の強い日差しに当たりすぎると、香りがよくなる一方で葉が厚く固くなる。
・夏は直射日光を遮ってあげるなどの工夫をすると美味しくできる。
シソの収穫時期は、6〜10月頃です。
本葉が10枚ほど出て、草丈が30cmほどに育ったら収穫しましょう。
収穫するときは、下の方から順にやわらかい葉を摘み取っていきます。
茎の先の葉や若い葉を収穫していくと、その後もわき芽が伸びてきて、長く収穫を楽しむことができます。
我が家の青シソは、友人宅から譲り受けて育てているのですが、7月に50枚以上収穫できています。
わき芽からどんどんシソが育つので、たくさん収穫できる楽しさも味わうことができますよ。
暑さと日光に強い「花」で、夏も美しく
花の季節というと春をイメージすることが多いですが、夏でも育つ花があります。
夏に咲く花の特徴は、日光を好み、暑さに強いことです。
この特徴をいかして育てることで、夏でも花の美しさを楽しむことができます。
花の色や大きさを自由研究のテーマにしても楽しいでしょう。
いつ咲くかと、待ち望む子どもの姿を見ることができるので、ママも幸せな気持ちになりますね。
パッと開く姿が美しいアサガオ
参考:アサガオ
アサガオといえば、日本では夏を代表する花として知られていますね。
青や紫、そしてピンク色など多くの花色があり、品種も西洋朝顔や琉球朝顔など数多くあります。
アサガオを育てる時は、摘心をすることでわき芽や花数を増やすことができます。
アサガオの育て方のステップは以下の通りです。
- 種をまく土を作る
- 種に傷をつけて芽を出しやすくする
- 種をまく
- 1週間ほどで種が芽を出す
- 本葉が2〜3枚になったら植え替える(苗植えはここから)
- 鉢底に軽石、土の順に入れて苗を植える
- 4週間ほどで摘芯をする
- 花が咲く
花が咲くまでの期間が30日程度かかることがありますが、咲き始めると毎日開花を見ることができます。
日ごとに咲く花の大きさの違いや、数の違いを自由研究のテーマにしてみても面白いでしょう。
まるで葉のような花のハボタン
参考:葉牡丹
葉牡丹(はぼたん)は、円形に広がる花びらが美しい花です。
手軽さのポイントは、肥料がなくてもきちんと育つところです。
ホームセンターで売られている培養土であれば、十分に育ちます。
葉の育ちや花の色などを研究する場合は、植え付けする際に、土の中に元肥を与えると良いでしょう。
葉牡丹の育て方と特徴は、次の通りです。
・葉牡丹の種まき時期は7月から8月ごろが適している。
・種を撒いてから2日ほどたつと発芽します。
・高温では発芽不良を起こすため、しばらくは日陰を避けた場所で、根が出るまで待つ。
我が家も7月末に葉牡丹の種を植えましたが、
4日後には発芽してくれました。
葉牡丹は成長の変化のスパンが早いため、好奇心旺盛な子どもの自由研究にぴったりです。
次に、植え付けから植え替えなどの方法をお伝えします。
・葉牡丹の芽が出て育ってきたら、大きめの鉢に植え付け、定植させましょう。
・植え替えの必要はありません。
・挿し木(挿し芽)で、葉牡丹を増やすことができます。
・開花後にできた新芽の株の1部を切り取って、発根させましょう。
葉牡丹は、花びらに凹凸があることから、害虫が付きやすいので注意が必要です。
予め、殺虫剤を土にかけておくと問題なく育てることができます。
育てる期間が短くにぎやかなお花ですが、虫がつかないように親がサポートしてあげましょう。
黄色が元気を届けるミニひまわり
参考:ミニヒマワリ
ミニひまわりは、手頃なサイズで夏に育てやすい花です。
ひまわりは外で育てるイメージですが、ミニひまわりは背丈があまり大きくならず、30cmほどの背丈の品種もあるため、室内で育てることもできます。
ミニヒマワリの育て方を紹介します。
・種から育てる場合は、本葉が出るまでは土が乾燥しないようたっぷりと水を与える。
・湿気を嫌うため、水はけのよい土を選ぶ。
・種まき後、本場が出るまでは土が乾かないようたっぷりと水をやる。
・追肥や植え替えは、必要ない。
・1本で育つため、敵芯は不要。
・根が傷つかないように、土で覆う。
ミニひまわりは株分けが難しいので、増やすことはできません。
しかし、追肥や敵芯の必要がなく手間がかからず花が咲くため、育てやすいです。
黄色の鮮やかな花が咲くと、心も晴れやかになります。
夏休みの自由研究に彩りを添える植物として、おすすめです。
数本束ねて花束にしたり、フラワーアレンジメントに挑戦してみたり、花が咲いた後も研究を楽しめますよ。
調べるだけでも面白い!びっくり植物
野菜や花を育てるのはとても良い経験になりますが、調べるだけでもワクワクする植物があります。
忙しくて育てるほど手間をかけられない場合など、変化が面白い植物を調べてみてはいかがでしょうか。
ここでは、調べるだけでも発見がある植物を2つ紹介します。
身近な食べ物がどのように成長してきたのか調べてみると、子どもの興味や関心を引くことができますよ。
大きな種から芽が出るアボカド
上記の写真は、アボカドの葉です。
我が家のアボカドは3年目に突入しましたが、ついに私の背丈をも超えてまだまだ伸びています。
そのくらいアボカドは、豊かな生命力を持っています。
育て方は、市販されているアボカドを食べた後に、水耕栽培で芽を出してから土に植えます。
ホームセンターで手に入るプランターや土で、家庭でも簡単に育てられます。
アボカドは、メキシコ名産の植物です。
暑さを好むため、夏に育てやすい植物の1つといえるでしょう。
大きな種から、可愛らしい芽が出たときの感動は忘れられない体験になるはずです。
自由研究後も育て続ければ、子どもの背丈よりも大きくさせることもできますよ。
これは、何の花?バナナの花!
参考:バナナの花
この写真は、バナナの花がついた房です。
甘くておいしいバナナの花が、このようにおどろおどろしい姿だと知れば驚くこと間違いありません。
私も、近所で見つけてから調べて知ったのですが、花は房の先の白いものです。
おどろおどろしい部分は房で、実(バナナ)を守っています。
1枚ずつめくれるたびに、緑色のバナナが姿を現し、日に当たることで育って黄色くなっていきます。
自由研究で普段食べているバナナがこのような姿に変身すると発表できたら、注目を浴びそうですね。
身近に育てているところを見るのは難しい植物ですが、本やインターネットで調べたり、植物園に行って実物をみて研究してみましょう。
まとめ
子どもの夏休みの宿題の定番である自由研究は、テーマや研究内容を自分で決めていく難しさと面白さがあります。
手軽に育てられる植物を育てて、成功体験とともに、自分で発見する喜びを味わってもらってみてはいかがでしょうか。
野菜を育てれば料理に発展させることができ、花を育てれば飾るところまで発展させることができます。
なによりも、植物の栽培を通して家族とのコミュニケーションが増える良さがあります。
楽しく自由研究を進めて、充実した夏休みが過ごせますように。