春休みが訪れると、部活動や習い事などで忙しくなる子どもの食事が気になります。
中学校や高校に通う子どもの体作りをサポートし、忙しい中でも手軽にしっかり栄養補給できる間食は、「おにぎり」です。
おにぎりは、米から作られるため腹持ちよく、味付けや材料で足りない栄養素を補うことができます。
今回は、思春期に必要な栄養を取り入れたおにぎりレシピを紹介します。
思春期に求められる栄養素
思春期とは、子どもが大人へと成長するための移行期間を指し、8歳頃から17、18歳頃までの時期に相当します。
中学生や高校生ごろの年代があてはまり、体作りの重要な時期です。
10代はエネルギーや栄養素の必要量が多い時期なのですが、特に「エネルギー」「タンパク質」「ビタミンA」「ビタミンB群」が大切です。
どのような役割があるのか、みていきましょう。
活動の源「エネルギー」
エネルギーは、体を動かす原動力です。
人の体が使うエネルギーの単位は「カロリー」で、エネルギーを作るための材料は「糖質」などです。
糖質の特徴
・炭水化物の種類の1つ。
・細胞の中でたくさんのエネルギーを作る。
・素早くエネルギーになる。
糖質は、下記に示す食材に多く含まれてます。
思春期のエネルギーは、成人の1.5倍程度に設定されていることからも成長に必要な栄養素だとわかります。
必要な量が一度では摂り切れないため、こまめな補給がポイントです。
体作りの材料「タンパク質」
タンパク質は筋肉や臓器などを構成する栄養素で、ホルモンや酵素の成分としても存在しています。
タンパク質の特徴
・色々な種類のアミノ酸と呼ばれるものがくっついている。
・体のタンパク質は常に分解され、摂取したタンパク質と合わせて作り直される。
・「必須アミノ酸」は体内で合成できない。
体内で合成できない必須アミノ酸を意識して栄養補給を行うと、過不足なくタンパク質を活躍させることができます。
タンパク質も色々な食材を組み合わせると、アミノ酸のバランスがとりやすくなります。
体の機能の正常化をはかる「ビタミンA」
ビタミンAは、次に示す機能の正常化に役立ちます。
・視覚
・聴覚
・味覚
・皮膚
・粘膜
また、体の成長や発育を促進し、生殖作用を維持するため思春期に重要な栄養素です。
ビタミンAは体内に貯めておくことができるので毎日とる必要はありませんが、適宜補いましょう。
ニンジンやほうれん草、小松菜、バターなどに多く含まれています。
エネルギー代謝をサポートする「ビタミンB群」
ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を指します。
ビタミンB群は、水溶性ビタミンです。
一度にたくさん摂取しても尿中に排泄されてしまうため、毎日コンスタントに摂取したい栄養素の一つです。
ビタミンB群の主な働きは、エネルギー代謝の補酵素です。
補酵素とは?
代謝を円滑に行わせる潤滑油のような働きをする。
ビタミンB群が充足すると、体内の代謝はスムーズに行われます。
パワーを常に発揮できるよう、ビタミンBの補給を意識したいですね。
特にビタミンB6はタンパク質の代謝に関わっているので、補食などに取り入れると良いです。
では次に、これらの栄養素をどのように摂取したらよいのか見ていきましょう。
必要な栄養素を取り入れた補食の考え方
「間食=おやつ」と連想しがちですが、思春期の中高生、特にスポーツを頑張る子どもにとっては「間食=補食」になります。
3食では摂取しきれない必要な栄養を補う食事だと捉え、どんなポイントがあるか見ていきましょう。
補食選びのポイント
1日の食事全体のバランスを考え、主食や補食の内容を検討します。
思春期の補食は、次の3つが要点です。
①低脂肪
②必要な栄養素が摂取できること
③手軽さ・携帯性
エネルギーは活動のために必要なものと認識し、不足しないように心がけます。
必要量は運動量に比例して考え、活動量が多い時は補食か食事の量を増やすと良いです。
朝食・昼食・夕食の時間を避け、食事まで2時間あく頃に補食を食べると、効率的にエネルギーや栄養素を取り入れることができます。
食べ物だけで補給が難しい場合は、野菜ジュースや牛乳などの飲み物でカバーしましょう。
捕食の量は、200~300kcalがベスト
思春期の男女が必要な1日のエネルギーは、2,400~2,600kcalです。
そのうち、約1/8を補食にあてると良いでしょう。
目安となるエネルギー換算量は、下記のとおりです。
・ごはん1膳=約230kcal
・おにぎり1個=約180kcal
・餅1個=約220kcal
・食パン(6枚切)1枚=約150kcal
・ゆでうどん(200g)=約190kcal
参考:日本食品標準成分表
一般的に、エネルギー摂取量が増加すれば他の栄養素量も増加傾向にあるので、まずは必要なエネルギーが補充できるようにすると安心です。
最後に、必要な栄養素を取り入れ、補食のポイントを抑えたおにぎりレシピを紹介します。
補食にぴったり!おにぎりレシピ
おにぎりは、ごはんを使うため腹持ちのよいことが特徴です。
また、脂質が少なく、エネルギー以外に食物繊維やビタミンEを摂取することができます。
ごはんに材料を混ぜて握るだけの、お手軽栄養おにぎりレシピを見ていきましょう。
にんじんとツナのおにぎり
にんじんに含まれるビタミンAや、ツナに含まれるタンパク質・鉄分が摂取できるレシピです。
煮汁がなくなるくらいまで加熱し、ごはんを混ぜた後なじませると握りやすくなりますよ。
鮭と大葉のおにぎり
鮭に含まれるタンパク質・カルシウムや、大葉に含まれるビタミンB2が摂取できるレシピです。
ごまも一緒に混ぜることで、鮭のビタミンDの吸収を促進し、栄養素が補給されやすくなります。
大葉は、よく洗ってからキッチンペーパーなどでしっかり水気を切ると握りやすいですよ。
カレーウインナーおにぎり
カレー粉に含まれるビタミンE・ビタミンK・ビタミンB1や、ウインナーに含まれるタンパク質を摂取することができるおにぎりです。
ウインナーは薄く切るか、細いものを使うと握りやすいです。
おにぎりは、ビニール手袋を着用するか、ラップで握ると衛生的ですよ。
まとめ
中学生や高校生が該当する思春期は、成人よりも多くのエネルギーを必要とします。
加えて、タンパク質やビタミンA、ビタミンB群が成長を助けます。
1日3食しっかり食べることに加えて、栄養素を整えるのにおすすめなのは補食です。
補食には、低脂肪で手軽な「おにぎり」がおすすめで、ごはんに具材を混ぜることで栄養補給できます。
忙しい中でも栄養補給できるおにぎりを取り入れて、元気を充電して部活や習い事に臨みたいですね。