朝の冷え込みが感じられるようになり、冬の訪れが近くなりました。
咳や鼻水が出てくると、感染症にかかるのではないかと心配になりますね。
普段の食事から、病気に負けない体づくりをするには、免疫力をあげることが重要です。
そこで今回は、朝食にスープを取り入れ、食事で免疫力を高める方法をご紹介します。
冬の免疫力アップは、「体温」に注目!
1年のうちで免疫力が下がりやすいといわれるのは、代謝が下がる夏です。
しかし、冬は感染症が流行されやすいことから、免疫力の維持・向上が重要になります。
免疫力を上げるには、どのような工夫をすればよいのでしょうか。
3つのコツで免疫力UP
免疫力とは、外からやってきた細菌やウイルスを撃退する自己防衛システムを言います。
もともと体に備わった免疫力を生かすコツは、体本来が持つ体温調整能力に負担をかけないことです。
つまり、気温の低下が顕著な冬は、衣服や環境、食べ物により体を温めることが大切です。
服や防寒具では、首・手首・足首の3点を温めると、体の熱を逃しにくくなります。
暖房などを活用するときは、温度は18度〜22度、湿度は55%〜65%を目指すと体に負担をかけず、快適に過ごすことができます。
そして、今回最も注目したいコツが、温かい食べ物や飲み物で体を温めることです。
食べ物や飲み物で体を温めるメリット
免疫機能が正常に働くためには、平熱36.5℃以上が理想です。
さらにそこから体温を1℃上げると、免疫力は最大5~6倍、基礎代謝は13%上がります。
よって、衣服や環境に加えて、体の内側からも働きかけるとより体を温める効果が期待できます。
体を温める根底は「体温」なので、食べ物や飲み物または運動で体に働きかけ、体温を上げることがポイントになります。
体温が上がるごとに体の中の環境も変化するため、温かい状態を維持することで、細菌やウイルスに対抗する力が得られます。
体温を上げると、血流や腸の動きが良くなり、体の循環が良くなります。
体に必要な栄養を運ぶことができるので、筋肉などの器官が働きや不要物の排泄が良くなり、免疫力アップに繋がります。
このように、温かい食べ物や飲み物を取り入れて体にも働きかけると、持続して免疫力を向上できるのです。
朝こそ体温アップがおすすめ
体温の上昇で注目したい時間は、朝です。
1日のリズムがある体温は、朝が最も低くなる傾向にあります。
これは、眠っているときに脳が休息するため、体温が下がるからです。
就寝すると脳が休まり、深く眠るほど、体温は下がっていきます。
起床後は徐々に体温が上がり、夕方になると1日のうちで最も体温が高くなります。
そのあと、就寝に向けて体温が下がっていくという流れです。
つまり、朝の体温が低い状態を改善できれば、免疫力アップに貢献できるのです。
そこでおすすめなのが、「朝スープ」です。
朝スープのおすすめレシピ3選
スープは、複数の食材を同時に煮込むことで豊富な栄養素を水分と共に摂取でき、体の中から温めることができるメリットがあります。
また、体温が低くなりがちな朝に取り入れることで体温の上昇に寄与し、免疫力アップに繋がります。
食欲があまりないときでも、少量で栄養補給&体温の上昇が叶いますよ。
ほっこり♪きのこのポタージュ
ごはんにかけても、パンに浸してもおいしいきのこを使ったスープです。
きのこの種類は問わず、1種類でもどんな組み合わせでもおいしくなるので、気軽に作ることができます。
きのこは冷凍保存したものを使うと、コクと旨味が増すのでおすすめです。
食物繊維豊富なきのこは、体温の上昇で活動的になった腸で活躍します。
体の中で不要になったものを食物繊維がからめとり、便として体の外に排出することで免疫力アップになります。
また、ベーコンやオリーブオイルなどの油脂と一緒に摂ることで、きのこに含まれるビタミンDの吸収が良くなります。
免疫力アップと、骨の健康に役立つ朝スープですよ。
たっぷりトマトと豆腐の中華スープ
はっきりとしたトマトの赤色と、豆腐の白色のコントラストが綺麗なスープです。
豆腐のつるんとした口当たりが心地よく、朝でもたっぷり飲むことができます。
豆腐は、「畑の肉」と呼ばれるほど優秀なタンパク質が豊富に含まれます。
タンパク質は免疫細胞の主要な成分なので、免疫力アップに役立ちますよ。
レンチン♪温玉ポトフ
シンプルな味のスープが欲しい時にぴったりのレシピです。
温玉が入ることで満足感が得られ、彩りの良いスープです。
キャベツとニンジンはカット野菜を活用しても作れるので、朝でも手軽に作ることができますよ。
卵には、必須アミノ酸がバランスよく含まれているため、免疫細胞を作るのに役立ちます。
また、卵と一緒に野菜を食べることで、免疫力はさらに高まります。
キャベツに含まれるビタミンCは皮膚や粘膜を強くする効果があり、ニンジンに含まれるビタミンAは細菌やウイルスの侵入を防ぎます。
栄養バランスも良く、免疫力を高める効果がでるおすすめのスープです。
では、最後にスープに取り入れると免疫力アップに役立つ食材とその特徴を紹介します。
免疫力が上がる食材と特徴
体を温めるスープに、免疫力を高める食材を取り入れればさらに効果が期待できます。
どんな栄養素が免疫力の向上につながるのか、みていきましょう。
免疫細胞を作る「タンパク質」
細菌やウイルスと戦う免疫細胞は、タンパク質から作られます。
免疫細胞は体のいたる所で病原体と闘い、病原体を食べたり殺菌したりして、抗体を作ります。
材料があれば免疫細胞は増え、病原体に対抗する力を強めることができるので、タンパク質をしっかり食べることが大切です。
免疫機能を高める「野菜・果物」
ビタミンが豊富に含まれる野菜や果物は、継続して食べたい食事のうちの1つです。
特にビタミンA・C・Eに注目すると、免疫機能が発揮しやすい環境を整えてくれます。
ビタミンA:目・鼻・のどなどの粘膜のバリア機能を高める。
ビタミンC:粘膜や皮膚を丈夫にし、細菌やウイルスが体内に入りにくい状態にする。
ビタミンE:強い抗酸化力を持つ。ビタミンCと共に摂取すると抗酸化力が上がる。
ビタミンA・C・Eは、色の濃い「緑黄色野菜」に多く含まれています。
意識して食事にとりいれましょう。

トマトやにんじん、ほうれん草などをスープに取り入れるのがおすすめ!免疫力が上がりますよ。
腸内環境を整える「食物繊維・発酵食品」
腸内環境と免疫力には、密接な関わりがあります。
口からとり入れた食物は、胃や腸を通り、肛門から便となって排出されます。
腸は、侵入してきた細菌やウイルスにさらされる機会が多いため、免疫機能が備わっています。
免疫に関わる細胞の6割以上は腸に存在していることから、腸の健康を保つことが、免疫力アップのカギとなります。
腸の健康には、食物繊維や発酵食品が役立ちます。
食物繊維:きのこや海藻、野菜など。
発酵食品:味噌やチーズ、ヨーグルトなど。
食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、体内の不要物の排出を促します。
発酵食品は、善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを整えます。
これらの食材は、継続して摂ることで効果が得られるため、普段の食事に取り入れていきたいですね。
まとめ
免疫力をあげるには、体の中から体を温めることが大切です。
衣服や暖房で環境を整えることでも効果はありますが、体温を上げると免疫力が上がります。
1日のうちで最も体温が下がりやすい朝にスープなどの温かい食べ物を摂ると、体温が高い状態を維持して免疫力も維持することができます。
免疫細胞を活性化し、腸内環境を整えることで、感染症に強い体が作られます。
冬の朝は寒いので、温かいスープを食べて、身も心も健やかに過ごしたいですね。